鬼面仏心
2026年2月20日号
■梅下に襟を正す
日本憲政史上初の女性総理大臣・高市早苗氏の誕生は多くの日本人に驚きを与えた。首相としての手腕は当然未知数だったが、組閣早々に連立の枠組みを変え先月末には解散総選挙に打って出た。これまでの歴代総理も躊躇するような決断を下し実行する剛腕ぶり。差し詰め「日本版鉄の女」とでもいえようか▼「思考は言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる」。本家本元の鉄の女、マーガレット・サッチャー元英首相には数多くの名言があるが、そのなかでも「父から何度も聞かされた言葉」として紹介し続けたのがこの言葉である▼思考が運命の根本であるとすれば、その思考を変え最終的に運命を変えようとする営みが宗教だろう。変えようとしてもそう簡単に変わるものではない。しかし、変えようと努力しなければ変わらない。釈尊は「衆生に仏の物の見方を開示し悟らせ仏道を歩み続けさせることが、この世に現われたただ1つの目的である」と説かれ、日蓮聖人は「不軽菩薩が人を敬い続けて仏と成ったように、教主釈尊がこの世に現われ教えを説かれたのは、ひとえに人の振る舞いを変えるためである」と示された▼高市内閣と時を同じくして宗門も新内局が発足した。僧侶檀信徒、宗門全体で物の見方と振る舞いを正しつつ新しき春を歩み出したい。 (隆)

2026年2月1日号
■人には引力がある
人は引かれ合うもの…。以前から思っているのだが、人は互いに引力があるようだ▼例えば、数百メートルあるまっすぐの細い歩道で見知らぬ他人が3人通るとする。1人は自転車、2人は徒歩だとしよう。この3人以外、前後にまったく人がいないのに、いつもすれ違うときに3人が1つの点になるのだ。徒歩の2人がすれ違ったしばらく後に自転車の1人とすれ違うのではなく、3人の団子になる▼また車で一時停止後に見通しの悪い物陰から自転車が横切ったりする。ヒヤッとして車を進ませるとその自転車以外いないのだ。いつも不思議なのだが、これは理屈ではなく「人は引力のように引かれ合う」と考えている。なので「事故は起こるべくして起こる」とも思う▼さてここからが本題。この人と人が引かれ合ったときにどういう振舞をするかによって結果が変わる。先の例でいえば、譲り合うか、それとも「我先に」と我を出すか。譲り合えば、細い道で団子になっても事故は起こらない。しかし、我先にと無理に通ろうとすると事故になる▼これは、人生においても同じ。人は引かれ合って集落を作り社会を作る。そのなかでまず他人のことを考えて行動することができれば争いは起こらない。引かれ合うというのは「ご縁」。仏さまにいただいたご縁を慈悲、慈愛で受け答えをすることが世界を幸せに導くことになる。




















