鬼面仏心
2023年3月10日号
■きれいな心
日本と海外で町の風景に違いがある。海外の道沿いには飲料水などの自販機がない。なんでないのかというと治安が良くないかららしい。自販機を置いたら、あっという間に壊されてしまい現金が奪われる▼かつてニューヨークは世界有数の犯罪都市だった。しかしジュリアーニ市長が「割れ窓理論」を使った結果、犯罪が激減した。割れ窓理論とは、窓が割られている建物をそのままにしておくと、管理されていないと思われ、他のガラスも割られたり、ゴミが放置され、環境が悪化することをいい、ニューヨークでは軽微な犯罪でも厳しく取り締まった▼私たちも車や靴がピカピカのうちは決して泥水の中には入っていかない。しかし一旦汚れてしまうと平気で泥水の中にも入ってしまう。私たちの心も同じようなものではないだろうか。悪い心を持つと平気で悪いことをしてしまう。フィリピンにいたルフィのように。逆に良い心を日頃から持っていれば嘘をついたり、悪いことができなくなるはずだ▼古歌に「気もつかず目には見えねどいつの間にほこりのたまる袂なりけり」とある。いつの間にかゴミが袂やポケットにたまるように、私たちの心も知らないうちに汚れてしまう。そうならないよう、普段から心の掃除をしなければならない。その心の掃除とは普段からお題目をお唱えし、良き心を求めることだ。(友)