鬼面仏心
2022年10月1日号
■与えられた休養
ワクチンを3回接種して感染にも気をつけていたが、コロナに罹った。高熱が出てサウナに入っているような汗をかいて、3日後に熱は下がった。罹る前は会社や近所からの差別的な話を聞くたびに、もし自分が罹ったらと不安に思っていた。だが以前より社会的にも会社的にも感染者への偏見や差別が緩和した感じがする。もちろん地域的なものもあるが▼感染経路は思い浮かばないが、理由の1つとしてあることが頭をよぎった。7、8月は繁忙期でほぼ休めず、働きづくめでかなり疲れていた。そんななかでのコロナ感染と自宅隔離生活の10日間は思わぬ休養となった。会社や妻には迷惑をかけたことを申し訳なく思ったが、こんなことにならない限り体を休めることがなく、正直コロナに罹ったことをありがたく思った▼「ありがたい」ということについて「不謹慎」と思う人もいると思う。でも妻からの一言が私の気持ちを楽にした。「仏神から休養しなさいっていわれたのよ」という言葉だった▼皆さん。休んでますか? 自分や家族の生活、会社などを守ることは大切だと思う。でもそのなかで自分をすり減らしながら生きるスタイルは自分を苦しめ、最終的にみんなを苦しめることになるかもしれない。コロナに罹ることが休養だとはいわない。だが、社会が休養をはじめ本当の幸せを考える時期にきている。 (芯)