鬼面仏心

2014年6月20日号

庭の手入れをしながら考えた。

庭の手入れをしながら考えた。雑草と分かるものは考えるまでもなく抜き取る▼ところが種が飛んできたのか、中にはちょっと残しておきたいと思うものもある。ミズヒキグサなど、秋に咲く小さな花は中々風情のあるものだ。また庭の隅にあったアヤメが増えてきたけど、これも抜き取るには忍びない▼そんなこんなで残していくと、空きのない、いわば草だらけの庭になってしまう。これではもはや庭とは呼べない▼庭作りにはまるっきり素人の筆者だが、雑然と何もかも生やしては、仏の棲み給う清浄な場、そして仏に面奉する場としての緊張感が失われる。何を残し育てるのか、何を捨てるのかがポイントになると考える▼こうしてみると、名園といわれるものには、それぞれ作庭の意図、一本通った哲学があることに気付く。これは人生にも当てはまるものであろう。したいこと理想とするものは沢山ある。しかしその全てを満たそうとすれば、雑木雑草のはびこる荒れた庭となってしまいかねない▼仏教を究めて仏になり、恩ある人を助けたい。そのためには身命をも棄てる覚悟である、と言いきる宗祖のご生涯は真に明解だ▼何のためにこの生命を生きるのか。今一度、過ぎにし半生とこれからの将来を見据えて、育て活かすべきものが何かを見極め、それを活かすことにより明解なそして緊張感あふれる人生を織りなしていきたい。(直)

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2014年6月10日号

世の中には全く考えもしないことを

世の中には全く考えもしないことを思いつく人がいるものだ。曰く「いままでこの地球上、生まれて死んでいった人間の総数は何人だろうか」と。これをちゃんと調べている人もいるというから更に驚く▼以前からご先祖の数は10代遡ると1024人、30代で10億人だとは聞いていたが、人類の出生累積数までは頭をかすめもしなかった。「200万年前(人類最古の旧石器時代)から今までで約1120億人という試算があるという」(人類学者香原志勢氏)。意外に少ないようだが、昔は人口も多くなく、また血縁関係での結婚もあるので、単純にねずみ算式にはならないようだ。で、この数字になるのだろう。私たちのいのちは1120億分の1という、奇跡に近い確率で生まれてきたのだ▼それぞれのカップルが出会いから結婚に至るまで、いろいろな過程を経て結論を出すことだろう。お檀家の子息がいま結婚しようとしている。彼は再発の可能性を持つがん治療を過去に受けている。二人はそれを乗り越えて結論を出した。だが挙式が近づくにつれて彼は、「こんな自分とは一緒にならないほうが彼女のためではないか」と思い悩む。ようやく導き出した結論は、「彼女と一緒に生きたいのなら、自分の将来を信じるしかない。それが生きて行くってことだ」と▼近い将来み仏に導かれた1120億分の1の、何物にも変え難いいのちの灯が燈される。(汲)

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2014年6月1日号

今年も新1年生たちの登校が始まった。

今年も新1年生たちの登校が始まった。身体の半分ほどにもなる大きなランドセルが重そうだ。最近はランドセルもカラフルだ。形こそ同様だが様々な色のものがある▼娘が小学生になったとき、当時としては珍しいオレンジ色のランドセルを買った。娘はたいそう喜んだが、中学年になるとそれがいじめの対象になり、不登校が始まってしまった。ところがさらに遡ること15年、筆者が中学生時代には一人だけ青い鞄で登校していたが、それでいじめられたことはなかった。昔の方がおおらかだったからではない。集団でいじめるという陰湿な行為が世間に広まっていなかったからだ▼ストーカーという陰惨な犯罪が後を絶たない。これを「未練がましい人の犯罪」とでも蔑視した表現をしていたら、件数は減ったに違いない。そんな犯罪を流行させてしまったのは誰だろう▼流行りの集団登校は防犯の意味はあるだろうが、交通事故があると集団でいたがために犠牲者が増えてしまうことも多い。見直しが必要だ。大勢がしていること、長い間続いていることが全て正しいわけではない。軽犯罪を犯した少年たちは口を揃えてこう言う。「皆がしているからいいと思った」。和は大事だが弊害のある流行は止めたい▼カラフルなランドセルは子どもたちの毎日を明るくさせてくれる。街も明るくなる。こんなブームなら大歓迎だ。    (寮)

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