鬼面仏心
2025年2月20日号
■3から始める
世界三大珍味といえばフォアグラ・キャビア・トリュフだ。日本人は日本三大〇〇とか、世界三大〇〇というのが好きだ。2でも4でもなく3というのがキモなのだろう▼ウルトラマンが地球上にいられる時間は3分、カップ麺もお湯を注いで3分。テレビで紹介されていた災害に遭った時の3の法則は、酸素が切れて生きていられる時間が3分で、体温が低下して生きていられる時間が3時間、水なしで生きていられる時間が3日間、食べ物がなくて人が生きていられるのが3週間だそうだ▼仏教の世界でも三蔵法師だったり、三界・三毒・三宝・三悪など3という数字が頻繁に出てくる。お寺にも三具足(香華灯)があり、香炉の脚が3本であったり。お焼香は基本的に3回で、法要中の金丸は3打することが多い。法事でよく読まれる方便品の十如是は3回繰り返す。1周忌の次は3回忌。仏教の世界でも3という数字は特別のようだ。法華経にも「三草二木の喩え」や「三車火宅の喩え」など3という数字に関わる教えが出てくる▼さて仏教のなかで大切なものの1つ身口意の「三業」を紹介しておこう。日蓮宗では法華経の教えの行動、お題目の唱題、信心となる。また一般的にはこの3つをコントロールし、善因に導くことを大事とする。私はよく口で失敗する。反省しても3日で忘れる。これが本当の三日坊主。(友)

2025年2月1日号
■外に目を向ける
再びトランプ氏が米大統領に就任し、熱狂の渦のなか初日から多くの大統領令に署名した。移民関連やパリ協定とWHO離脱などの諸々の大統領令には驚かされた。支持者にとってはそういった政策が自分たちを幸福に導いてくれると信じているのだろう。小生も勉強不足で、今回の大統領令から逆にアメリカの寛容さも知った▼グローバリズムとナショナリズムは比較されるが、どちらもメリット、デメリットはある。その時代に合わせてどちらか一方になってしまうのは仕方のないことかもしれない。ただし大事なのは「外に目を向ける」ことである。ある論文には「第2次世界大戦以後、国における重大な人権侵害が世界平和への脅威となったために、人権の保護と伸長を国際社会の最重要課題として位置づけられるようになった」とある。ナショナリズムは排他的になる場合もあるといわれる▼「私(※)は偉大になる」という言葉は漫画でしか聞いたことがない(※トランプ大統領は「私」ではなく「米国」と言った)。偉大かどうかは他人が決めることで本人や当人たちではない。他人から偉大と言われるために確実な方法を教えると「まず四表の静謐をもたらすこと」だ。そうすれば「あなた(米国)は偉大だ」と言われるだろう。ちなみに責任があるのは大統領などの代表者だけではなく、有権者…、つまり我々にもある。(緑)




















