2024年5月1日
■苦を乗り越えて
入学や入社など、新年度を迎えて新たな世界へのスタートを切りひと月が過ぎた。新しい環境に馴染んだ人もあれば、こんなはずではなかったと、気を落とし悩んでいる人もいるかもしれない。「こんな悩み苦しみを背負っているのは自分だけだ」と思っているかもしれないが、でもそれ、あなただけではないですよと申し上げたい▼求めるに叶わず、それが故に悶々とするのは凡夫の常。人類の誕生と共にそんな苦しみを人は経験してきたのだ。お釈迦さまの教えに「八苦」というものがある。愛する人と別れねばならない愛別離苦・逆にいやな人に会わなくてはならない怨憎会苦などがある。そのひとつに「求不得苦」、つまり欲して求めても得ることのできない苦しみがあると説かれている▼目標を定めて進んでいくうちには、障害にぶつかることは必ずある。何もかも順調に行くことはめったにあるものではない。それならば、失敗を怖れるのではなく、必ず失敗する、必ず上手くいかないのだと観念してみてはどうだろうか▼絶望のどん底にあっても、全てを失ったと思っていても、それでもまだそれを考える自分はそこにいる。そしてそれを見守っている仏がいるのだ。法華経に「無量珍宝不求自得」(無量の宝は求めざるに自ずと得る)と説示されている。自分でも気付かないところに自ずと道は開けるのだと信じて欲しい。 (直)




















