2023年12月20日
■肯定形で生きる
ウォルト・ディズニーの「しなければならない仕事には、よく見れば必ず楽しい要素がある」という言葉を人生の指針にしている営業マンがいる。「仕事は大変?」と聞くと「大変だけど、楽しい」と答えた。どうしたら相手のためになるのかと楽しんで考えながら仕事をしているのだろう▼そんな彼の食事の際の第一声は必ず「ああ美味しい」である。マズいという言葉を聞いたことがない。わけを尋ねると「食事は雰囲気。美味しいといえば何でも美味しくなる」と、なるほどと思える言葉が返ってきた。どんなにささやかな食事でも、皆の心が明るければ楽しくなり、高価なご馳走でも雰囲気が悪ければ砂を噛むような料理にもなる▼「そんな知恵はいつ身についたの?」と聞くと彼は「母の影響」と答えた。聞けば彼の母は会う人ごとに「良かった。今日あなたに会えるなんて。縁よね。縁て不思議なものよね」と話し始めるそうだ。そう話しかけられたら、誰でも嬉しくなるだろう。「だから母は友だちが多かった」と懐かしそうに話してくれた▼仏さまには周りの人を明るくする力がある。人生を肯定的に受け止めるとき、仏さまの後押しが生まれる。ウォルトの言葉は人のための智慧。営業マンや母はその場を良くする雰囲気。営業マンはどちらの方法も人生や人のために活かして、いきいきと生きている。 (雅)