オピニオン

2021年11月1日

■音の中にも仏さま

 「寒くなると、寒修行の太鼓の音を思い出すねぇ。あの音を聞くと『出てこい、出てこい、家から出てこい。法華の太鼓のお通りだい!』って聞こえる」。近くの他宗のお寺の前住職との会話で、そんな話が出た▼「お宅の暮れ6つの鐘は夕焼け小焼けの歌じゃないけど『お手々つないで皆一緒に浄土に帰りましょ』って聞こえるよ」。「どうして?」。「夕日に合わせて鐘の音がゴーンゴーン(gone)って聞こえるもの」と笑いあった▼今は診療所になっているが、国道を挟んだ向こう側は大きな病院だった。入院した檀徒を見舞いに行くと「お上人さん、朝の唱題行の太鼓の音が聞こえてきてねぇー。その音が早くなったり遅くなったりするのが、心臓の鼓動のように感じてね。早くよくなりますようにと、素直に手を合わせるのよ。ほかの入院患者でも手を合わせる人がいるよ。昇る朝日を拝むのは気持ちがいいねぇ」と話したのを思い出した▼昔は、音で神仏の存在や季節、時間の流れを感じとることができたのだ。今は寒行の太鼓も暮れ6つの鐘も騒音公害と言われるのを気にしなければならなくなった▼日蓮聖人は聖地身延山で「吹く風もゆるぐ木草も流るる水の音までもこの山には妙法の五字を唱えずということなし」と感じとっておられた。現代に生きる我々は、その感受性を失ってしまったのだろうか。 (雅)

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