オピニオン

2021年10月10日

■黒・白・グレー

 プーさんという愛くるしいクマのキャラクターがいる。しかし、実際のクマは恐ろしい。時々、山から下りてきて人を襲う。里山がなくなったからだという。里山は人とクマが住む場所を分ける境目だ。そこが緩衝となって人とクマは別々に幸せに暮らしていた。しかし、里山がなくなり人もクマもゴチャゴチャになってしまった▼昔はどの家にも縁側があった。玄関のようであり、客間のようでもある縁側では、訪れる人も迎える人もリラックスできる。外でも内でもない、グレーゾーンのような場所だ。そういう黒でも白でもないものが日本には昔からあった▼一方で黒か白かを厳格に分ける世界も昔からある。聖か俗かを分ける境界線を仏教では結界という。落語家が高座に上がると扇子を自分の前に置く所作がある。客と高座はここで区切られていると扇子で示す。これも結界だ。越えてはいけないものだ▼今の20歳以下は生まれた時からパソコン・携帯電話・SNSのあるデジタル世代だ。デジタルは黒か白か、0か1、善か悪かの世界だ。彼らの心の中もデジタルだけになってはいまいか心配だ▼古来、日本人は白黒のけじめとともに曖昧なグレーもまた大事にしてきた。人は機械ではない。せめて心だけはグレーなアナログも大切にしたい。黒と白とグレーをバランスよく使い分ける生き方は、やさしさ=慈悲につながる。(友)

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