2014年1月10日
「じぇじぇじぇ」昨年大ブレークし、
「じぇじぇじぇ」昨年大ブレークし、流行語大賞にも選ばれた岩手の方言。現地でも使われなくなった方言が、知る人ぞ知る流行語となった。テレビでは訛りを売りにしたご当地アイドルがお茶の間を楽しませ、方言や訛りをネタにしたお笑いまである▼だが一方で訛りは恥ずかしいもの…マイナスのイメージもある。ある父兄が、「先生の訛りが酷く、子どもにうつるのでどうにかしてください」と学校にクレームを入れたという。故郷の言葉を否定するなんて悲しすぎる▼青年僧の集まりで高知県へ行った時のこと。会場となる寺院をお参りしていたところ、後ろから声をかけられた。卒業以来会っていない大学の同級生だった。よく分かったね! と驚いていると「懐かしい栃木弁が聞こえてきたから、すぐにわかったよ」と。決してバカにされた訳ではないが、ちょっと恥ずかしかった。学生時代から自分では標準語を話しているつもりでいたが、大きな勘違いだったようだ。どうやら私は昔から訛っていたらしい。それにしても方言のおかげで旧友との再会が果たせたわけだ▼「言をば但いなかことばにてあるべし」。日蓮聖人が京都にかぶれた弟子へ送った戒めの言葉だ。故郷の言葉に誇りを持てなくてどうして故郷に誇りを持てよう。故郷に誇りを持てなくて、どうして日本に誇りを持てよう。うわべより、本質を大切にする心を養いたいものだ。 (蛙)
