2013年8月10日
生後10ヵ月の赤ちゃんにも弱い者をかばう気持ちが
生後10ヵ月の赤ちゃんにも弱い者をかばう気持ちがあることを、京都大学の研究グループが明らかにした。また広島大学の研究グループによると、子犬や子 猫の写真を見せた後は、成長した犬猫の写真をみせた後より集中力が高まり、作業の成功率が上昇したという。人は本来、善人である可能性を示唆している▼人 間の本性は善か悪かの議論は古来行われてきた。いわゆる、性善説と性悪説だ。人の本性は善であるので人を信じるべきだというのが性善説(孟子)、人の本性 は悪であるので人は疑ってかかるものだというのが性悪説(荀子)と一般的に思われている。これは間違った理解で、「人の本性は善であるが成長するに従って 悪を学ぶ」(性善説)、「人の本性は悪であるが成長するに従って善を学ぶ」(性悪説)とし、どちらも「それ故に努力して良い人になりなさい」というのが真 意である▼「役者殺すにゃ刃物はいらぬ、ものの三度も褒めりゃいい」という小唄がある。人は褒められればうれしい。そこに慢心が生まれ、努力、精進を怠る ことになる。「人間らしくていい」という御仁もいよう▼だがお釈迦様は「怠ることなく努力せよ」と遺言された。また「うつりやすきは人の心なり。善悪にそ められ候」(『西山殿御返事』)とお祖師様もいわれているように、ともすると怠惰になり、悪に染まりやすい私どもである。心したいものだ。(汲)