鬼面仏心

2017年2月10日号

寒い季節にはお風呂が一番だ。

寒い季節にはお風呂が一番だ。数を減らしている銭湯がいま外国人に人気を呼んでいる。江戸時代の銭湯では、「田舎者でござい」「冷えもんでござい」など、声を掛けて人の迷惑にならないようにしたという。「体が冷えておりますので、間違って触れたらお許しください」「冷えた体で湯船に入りますので、湯の温度が下がったら御免なさい」ということだという。人への気遣いが粋に伝わってくる▼立川志の輔さんの高座で、お客さんが来るので饅頭を20個買ってくるように子どもが頼まれた。行ったお菓子屋には丁度20個の饅頭があった。主人の「よかったな。今日はもうあとは作らないよ」との言葉にその子は、「間違えた」といって18個だけ買った。話を聞いた母親は「いいことしたね」と褒めた、という話を聞いた。これは実際あった友だちの話だ。次に来たお客がせめて2個だけでも買えるようにという、子どもとはいえ粋な計らいである▼粋とは混じりがない美意識のことで、自分の損得は勘定に入れない気前、気概の意味を持つ意気に通ずる▼こんなイキな心を育んだのは家庭での教育の力だ。この母子は日頃どんな話をしているのだろうか。家族は多いのだろうか。きっと仏壇があり、食事の時「いただきます」と合掌しているのだろうか。などとつい考えてしまう。おっと、そんな詮索はヤボというものですな。     (汲)

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2017年2月1日号

我が家の情報源は3つある。

我が家の情報源は3つある。1つは全国紙で、世界と国内の情報を広く得るため。次は地方紙。身近な社会の動きを詳細に知ることができる。そして3つ目が日蓮宗新聞。宗門内の動きがよくわかる▼テレビは映像があってわかりやすいが、ニュースの時刻にならないと報道しない上に、1日に合計で1時間ほどしか割り当てられる時間はない。芸能ニュースの方が多いのに違和感があるのは年齢のせいか▼最近はこれにインターネットが加わった。印刷の締め切りがないからニュースが早い。しかも一般人からの投稿サイトなどもあるから内容は多種多様だ。が、その出所については曖昧だ。読む人が自身の知識と照らし合わせる注意が必要だ▼かつて、バングラデシュで大きなサイクロンが上陸して10万人が犠牲になったと報じられた。しかも当時活動の拠点であったチッタゴンという町の名が出ていた。大急ぎで現地に飛んだが、何ごともなかったような落ち着きぶりだった。聞けば、サイクロンは毎月のように上陸し、その都度5千人ほどが犠牲になっているというのだ。今回は10万人だから来たのかと笑われた▼新聞が嘘を書いたのではない。5千人の犠牲は日常のことだから記事にしなかっただけだ。事実ではあったが、真実の一部でしかなかった。真の情報は、常にアンテナを高くしておき、さらに自らの知恵で選択しなければ得られない。 (寮)

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2017年1月20日号

アメリカには「地上でもっとも恐ろしい生きもの」

アメリカには「地上でもっとも恐ろしい生きもの」が展示された博物館があるという。何とそこには大きなカガミが置かれているだけ。つまり地上最凶の生きものとは、カガミの前に立つ私たち人間ということだ▼戦後72年。私たちは自由・平等・個人・権利を旗印に、経済復興第一に生きてきた。その甲斐あって豊かで便利な社会になった。しかし気がつくとそこは「縁」よりも「円」が大事にされる冷たい無縁社会に。無縁社会とは「縁」を説く仏教とは対極の世界だ▼トンチで有名な曽呂利新左衛門に秀吉が尋ねた。「この世で一番恐ろしいものは何か」と。新左衛門は即座に「それは人間です」と答えた。権謀術数渦巻く戦国の世を生き抜き、関白太閤にまでなった秀吉。人間の恐ろしさはイヤというほど知っている。深く肯いた秀吉が「ではこの世で一番愛おしいものは」と尋ねた。しばらく考えていた新左衛門は「それも人間です」と答えた。秀吉はその答えに深く深く肯いたという▼お釈迦さまは法華経に「人間仏子」と説かれた。そしてこの娑婆世界を仏国土とすることを願われた。「火の車/造る大工はなけれども/己が造りて/己が乗るなり」という古歌がある。無縁社会を造ったのも私たち、仏国土を造るのも私たち。欲に狂った地上最凶の人間から仏子としての自分に目覚め、この世を浄土に変えるために生きなくては。  (義)

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今年の1月13日の御年頭会の日も晴天にめぐまれました。

日蓮聖人の新年初の月命日はいつも晴れます。

みなさま今年もお元気でがんばっていきましょう!

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