鬼面仏心

2018年10月10日号

あかねさす紫野行標野行

あかねさす紫野行標野行 野守は見ずや 君が袖振る(額田王)。好きな万葉集の歌の1つだ。袖を振るというのは、当時は恋しい人の魂を自分のほうへ引き寄せるという恋の仕草であった。神の魂を奮い立たせ、呼び寄せるための儀式、「魂振り」からきているという。いわば「おいで、おいで」ということか▼手を横に振ると、「いってらっしゃい」となる。これも同じ意味合いで、手を振ることによって安全に旅ができるようにと祈ったのだという(知恵の森文庫『今さら他人には聞けない疑問650』)。因みに時代劇で出かけるときに火打石で切火をするのも同じ意味を持つ▼手を縦に振ると「手刀を切る」となる。相手に手のひらを見せることで、武器を持っていないことを示し、不安や緊張を与えないための行為といえる。相手の領域には入りませんよという意思表示といえる▼古来より口から出た言葉には現実にしようとする力が備わっていると考えられてきた。戦いに出る息子に、母親が言葉にする「いってらっしゃい」には「生きてらっしゃい(生きて帰れ)」という思いの丈が込められているとの説を聞いたことがある。母親の心からの願いを、ようやく絞り出した言葉と感じたい▼迎えるお会式には両手を合わせ、宗祖に「ありがとうございます」の思いを込めたお題目を、是非唱えてもらいたいものだ。(汲)

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2018年9月20日号

民主主義とは、基本的に多数決が原則だ。

民主主義とは、基本的に多数決が原則だ。その意味では数が大事。経済の世界同じだ。いかに多くの利益を上げるかが重要。テレビの視聴率、いろんなイベントの集客数など、数が価値基準となっている。それはある意味で正しい▼こうした、数量で物事の成否を判断するということが、私たちの思考のあらゆる分野に浸透。知らないうちに、ものごとの是非善悪までも数で判断しがちな私たち▼寺院や管区、そして宗門で行う各種信行会や研修会。内容が真面目であればあるほど参加者が少ないというのが主催者の悩みだ。そのため心ならずも〈人寄せパンダ的〉な要素を取り入れてしまう。数が成否の基準になっているからだ▼良い教化とは、量と共に質の成果が大事だ。しかし質・量共に成果を上げる教化はなかなか難しい。2500年前、お釈迦さまは8万4000の法を説いたという。対象となった人は1宗1派を率いる優秀な宗教者や学者から自分の名前も忘れるような愚鈍な人。さらに王侯貴族のような人から貧しい人。老若男女、いろんな人びとに法を説き、教化をされた。お釈迦さまは質・量共に最高の教化者といえる▼何事も数や量が大事な現代。しかし宗教の世界だけは量より質を大事にしたい。量の成果を期待する余り、大衆に媚びたり、仏祖の教えという質をゆがめてはいけない。参加者がたった1人であっても、その数に動ぜず、全力で本物の法を説くことが大事なのでは。参加者の数ばかりを気にする最近の教化のあり方に、いささか疑問を感じる。(義)

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2018年9月10日号

娘たちと身延山へお参りした時のこと。

娘たちと身延山へお参りした時のこと。お焼香に立つと、小学4年生の娘が抹香をつまんで1回、2回、3回、4回…? 「何回するつもり?」すると「パパでしょ、じいじでしょ、ばあばでしょ、で、私」留守番をしているみんなの分だという。予想もしなかった答えに、なるほど…納得▼さすがにお寺でお焼香を4回もする人は見たことがないが、「1回? 3回?」法事の時によく耳にする話題だ。他にもお辞儀のタイミングなど。仏前で失礼があってはいけない…そう思えばこその心配事▼しかし作法ばかりが気になっては、仏さまと向き合うせっかくの時間がもったいない。そこで私は「諸説ありますから、お焼香は1回でも3回でもかまいません。お焼香の後、とにかく心ゆくまでゆっくり手を合わせていってくださいね」と話している▼お香の香りは、仏さまに喜んでいただけることはもちろん、私たちの心も清められ、清々しい気持ちで仏さまに向き合うことができる。故人に対する冥福の祈りも、感謝の気持ちもまっすぐに伝わる▼大切なのは、心を込めて仏さまに向き合うこと。そうすることで仏さまの懐に抱かれて、自身の心を見つめることもできるだろう。お焼香は1回でも3回でも、そしてたとえ4回だとしても、仏さまは大いに喜んでくださるはずだ。作法などの形はもちろん重要。でもそれ以上に形に込める真心を大切にしたい。(蛙)

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今年の1月13日の御年頭会の日も晴天にめぐまれました。

日蓮聖人の新年初の月命日はいつも晴れます。

みなさま今年もお元気でがんばっていきましょう!

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