オピニオン
2024年1月1日
慈悲のこころをカタチに
東京都東部管内には、「柴又帝釈天」の通称で知られる題経寺があります。映画「男はつらいよ」の舞台となっていることで有名な寺院です。
この「男はつらいよ」で渥美清さんが演じる寅さんの妹役で共演した倍賞千恵子さんが渥美さんから教わったことは、「優しさ、思いやり、厳しさ」だったそうです。
この「優しさ、思いやり」を仏教的に表現しますと「慈悲」なのだと思います。大切なのは、この慈悲を心の振る舞いとして表していくことです。誰かのために慈悲の心を表し、少しでも相手のためになれば、相手の心も自分の心も明るく照らされ〝生きている〟実感が味わえます。
映画の中で寅さんはいいます。
「ああ、生まれてきて良かったなって思うことが何べんかあるじゃない。そのために人間生きてんじゃねえのか」
「慈悲」のこころをカタチに。生きる喜びに。(東京都東部布教師会長・阿部泰雄)