オピニオン

2022年5月1日

■情ないがない世に

マラソン大会に出る市民ランナーからこんな話を聞いた。彼は大きな池の周回路を練習場にしている。普段はそんな考えは浮かばないが、大会直前の集中練習をしている時、ゆっくりと散歩している人を「邪魔」と思うことがあるというのだ。子ども連れやカップルが「30分で1周」という目標達成への妨げに見えるという。他者の存在に眼を向ける心の余裕がなくなるのだろう▼コロナ禍に加えロシアのウクライナ侵攻など、混沌とした世の中で、人は欲望の上に己の幸せを築こうとしているように見える▼日蓮宗の布教方針「いのちに合掌」という言葉が私は好きだ。私たちの手は握れば拳、開けば掌に。掌と掌を合わせれば合掌となるのだ。合掌とは私たちが今忘れかけている和の心、祈りの心、尊敬と信頼、感謝の心のあらわれであると思う▼日蓮聖人は「あなたが心から自分自身の安らぎを得たいと思うなら、何よりもまず、社会全体が平和になるように祈るべきである」(『立正安国論』)と示された。聖人にとって祈りとは、人びとの苦悩に共感同苦し、社会全体の平和の実現を通して、個人の幸せと安らぎを得る菩薩の道を実践することだった▼江戸時代の古歌に「鮎は瀬にすむ、鳥は木にとまる、人は情けの下にすむ」という言葉がある。情けない世の中にならぬよう、皆で菩薩の道を歩んでいこう。    (雅)

illust-kishin

side-niceshot-ttl

写真 2023-01-13 9 02 09

新年のご挨拶。

過去の写真を見る

全国の通信記事

  • 北海道教区
  • 東北教区
  • 北陸教区
  • 北関東教区
  • 北関東教区
  • 千葉教区
  • 京浜教区
  • 山静教区
  • 中部教区
  • 近畿教区
  • 中四国教区
  • 九州教区

ご覧になりたい
教区をクリック
してください

side-report-area01 side-report-area02 side-report-area03 side-report-area04 side-report-area05 side-report-area06 side-report-area07 side-report-area08 side-report-area09 side-report-area10 side-report-area11_off side-report-area12
ひとくち説法
論説
鬼面仏心
購読案内

信行品揃ってます!

日蓮宗新聞社の
ウェブショップ

ウェブショップ
">天野喜孝作 法華経画 グッズショップ
">取扱品目録
日蓮宗のお店のご案内
">電子版日蓮宗新聞試読のご登録
">電子版日蓮宗新聞のご登録
日蓮宗新聞・教誌「正法」電子書籍 試読・購入はこちら

書籍の取り扱い

前へ 次へ
  • 名句で読む「立正安国論」

    中尾堯著
    日蓮宗新聞社
    定価 1,365円

  • 日蓮聖人―その生涯と教え―

    日蓮宗新聞社編
    日蓮宗新聞社
    定価 826円+税

書評
正法
side-bnr07
side-bnr07