2021年12月1日
■どういう人間に
最近ふと考える。自分はどういう人間になりたいのか、と。若い頃ならば、「あの職業に就きたい」などと夢を考えるとは思うが、「どういう人間に」とは自分でも意外だった▼以前、外国で地下鉄に乗ろうと駅入り口の扉に向かっていたら、先に入ろうとした女性が扉を開けてわざわざ待っていてくれた。待つ時間にしてだいたい5秒。特急に乗ったときには、女性車掌がスーツケースの整頓をしていたら、若い白人の男性が飛び出して車掌の手伝いを始めた。そういう人間になろうと思った▼現在、新幹線や飛行機に乗るときには周りの様子を見る。スーツケースを棚にあげるのに大変そうな人がいないか。いたら、離れていても手伝う。エレベーターでも出る人、入る人が終わるまで扉を押さえる、など、単純でもできることをする▼ほか混雑する駅などで横から割り込んでくる人に対しても「お先にどうぞ」という気持ちを持つようにしている。怒っている時間があるならば、もっと大切なことを考える時間にあてた方が幸せだと考え直すからだ▼功徳を積みたいわけではない。いろんな人に教えられたように、誰かに伝わってほしいとは思う。世の中本当に他人に教わることばかりだ。ただ残念ながら小さな画面に集中していると、たくさんのことを見逃す。大人になったあなた。どういう人間になりたいですか? (緑)