2018年2月20日
年度の変わり目、学校ではクラス替えがあり
年度の変わり目、学校ではクラス替えがあり、職場では人事異動が気になる時期だ。A君のことが思い出される▼「本社の営業に回されました」。残念そうにいう彼。栄転かと思って聞いていたらそうではないという。日本有数のメーカーへ技術者として入社。世界一の製品造りを目標に開発の第一線で働いてきた。上役同僚とも和気あいあいで、仕事の上でも何の落ち度もない。それなのに、なぜ自分がチームから外されたのか。会社のためにももっとやれることがあったのにそれができないのが残念だという▼この世の中、やろうと志すことがどんなにいいことでも理解されず、また思い通りにはさせてもらえないことが間々ある▼日蓮聖人でさえもそうだった。法華経の教えが世に広まれば必ずや全ての人が真の幸福を得ることができると説き勧められたが、時の権力者の理解を得ることは難しく、逆に迫害を加えられさえした▼ただ聖人が凡夫と違うのは、これを自分に下された仏の予言と受け止められた点だ。聖人にとっては、理不尽な迫害も仏に認められた証であり仏の励ましの言葉であった▼私たち凡夫には納得できない事象も大所高所から見ればまったく異なった重大な意味を持つものかもしれない。A君はその後、技術に精通した営業マンとして会社にとってもクライアントにとっても、なくてはならない人材とされているそうだ。(直)