2017年12月10日
湯船に漬かり「あー」と叫ぶのは
湯船に漬かり「あー」と叫ぶのは体が緊張しているとき、「ふー」と声が漏れるのはリラックス状態だということを、ある新聞のコラムに教えられた▼先日、龍神堂でボヤを起こした。雪洞の電球の交換の時、いきなり「バチバチ」と音を発てたかと思うと、コードの2か所から火の手が上がったのだ。漏電である。記憶では雪洞が寄進されてから手つかずなので60年位前のコードだ。コードの表面は少しネバネバしていた。お堂から戻るのが遅いのを心配して来た妻と消火に当たり事なきをえたが、正直驚いた。想像を超えた驚きには声が出ないというは本当だった▼それにしても妻のその時の手際の良さには感心した。普段からそうではあるが慌てず、ことに当っていたのには頼もしささえ感じた▼数日前列車のチケットを買ってもらう時も、筆者のことを考えて、「席は窓側を」「揺れが少ないところを」。「そうそう、隣に人が来ない席と寒くない席を」と、にっこり笑って要望した。これには駅員さんも笑っていたというから、愛すべきおばちゃん力といえようか。以前赤瀬川原平氏が「老人力がつく」ということをいっていたが、「老い」をそのままに受け入れることも、希望をはっきり告げる「おばちゃん力」も、笑いに変える生き方は実に法華経的だといえよう▼今晩のお風呂は「あー」だろうか、「ふー」だろうか。どちらにしてもこのお風呂を入れてくれた人に感謝を忘れまい。(汲)
