2016年9月10日
小学生40名を乗せたバスが身延山へ到着した。
小学生40名を乗せたバスが身延山へ到着した。『こども修養道場』の始まり始まり▼お山では読経練習に唱題行、輪番奉仕に奥の院登詣、そして朝勤に夕勤。ハードスケジュールが待っていた▼プールもなければバーベキューもない。唯一のお楽しみの花火も雨で中止になってしまうという事態に、「つまんない! もうやだ!」投げやりな言葉もあちこちから聞こえてきた。そんな気持ちのままではあまりにも可哀想▼ここに来られたことだけでも幸せなこと、たくさんの仲間とともに過ごす時間の意味…どうやったら伝わるのだろう? 頭を抱えたが、心配は無用だった▼お経の時間に正座が辛くて涙する子がいれば、自然と励ます子がでてきた。家が恋しくなった子には優しく寄り添う子も▼正座で足が痛いのは自分だけじゃないと分かったし、夜はみんな心細いことも知った▼辛いことだけじゃない。「ほんとに登れたね!」。何度も諦めそうになりながらも奥の院に登頂できた時は全員で喜びあったし、山の上では普通のおむすびが大御馳走になることも知った▼優しいお題目の風が吹く身延山の懐に抱かれた2日間。子どもたちが知らず知らずのうちに手にいれていた宝物がある。それはお互いの気持ちに寄り添う心。喜びや苦しみをともにわかちあう心はまさに仏さまの慈悲の心。やんちゃな子どもたちの心の中に、小さな仏さまがそっと微笑んでいた。(蛙)
