2020年7月1日
■切磋琢磨
朝の連続ドラマ「エール」を見ていますか? 今回はコロナウイルスと対峙する念仏者と題目者のエール交歓の話▼友人の他宗僧侶から、1冊の本が送られてきた。地方新聞の人生相談の回答者としての答えをまとめたものだ。あとがきに「コロナ禍の現在、僧侶は何を発言し行動できるのか。考え続けている」とある。共感し、読後の感想を伝える電話をした▼月忌参りの時、檀家にコロナ退散のお札とマスクをセットで配った話を伝え、「檀家制度が日本仏教をダメにしたというけれど、ホームサービスという視点でみると潜在力はスゴイ!」と話すと、「今からのお寺は、檀信徒との信頼関係の強さが問われるだろう」と返ってきた。彼は自坊を法務の資格をとった坊守(寺庭婦人)にまかせ、自身は病院付きの僧侶として医師とチームをつくり患者の精神ケアにあたっている。志高き社会派僧侶だ▼叱られるかなとも考えたが、医療現場にいる彼の健康を祈って日蓮宗の祈祷札を送った。すると「祈りはお任せするとし、コロナ後のケアは共通の仕事だ。お互い頑張ろう」と返事がきた。「御札はもらっておきます。ありがとう」というメッセージも届いた▼苦しみとか悲しみとか、寺に行けば何とかしてくれる。生老病死、その時々の人の苦に寄り添い救済するのが僧侶。お寺や僧侶のあり方を、これからも彼と切磋琢磨していきたい。(雅)