2019年4月20日
◆効率至上主義
我々は分単位、秒単位で動かされている。たとえば最寄り駅で1つ電車に乗り遅れると、次に乗り換える新幹線まで変更しなくてはならない。ホームへの階段をもう10秒も早く駆け下りることができたら1時間近いロスはなかったろうに、そんな思いに駆られることもある▲ロスタイム、即ち無駄な時間ということだ。無駄をなくす、効率を考えるということは、単に経済的費用対効果だけではなく、現代社会では生活のすべての場で求められている。たしかに注文した料理がすぐ出てくるのは気持ちがいい。しかし待たされたといって接客係にくってかかる、時には傷つけるなどの事件がマスコミに取り上げられる事態は見過ごせない▲はたして速さということはそんなに大切なことなのだろうか。永遠の生命を持ち私たちを見守る久遠の仏からみれば、10年も100年も大差はない。仏は、たとえ誰であろうとも全て仏の子であり、無駄な存在不要な存在はない。今生でダメなら来世。いつかは必ず仏となる存在だと説かれる▲その仏の子たる我々だ。仏と同様、永遠の時を過ごすつもりで、仏への成長過程を楽しみ日々を過ごすよう心がけてはどうか▲時代は平成から令和へと移り変わる。電車に乗り遅れないようギスギス生きるのではなく、和を以て席を譲り合える心を持つことのできる時代にしていきたいものだ。 (直)