2018年7月1日
今号に高座説教特集が入ると聞いた
今号に高座説教特集が入ると聞いた。そこで言説布教について考えた▼日蓮聖人降誕八百年の教区大会が開催されている。昨年、国内で山静教区から始まった大会では、各布教師が法話し降誕の意義を説くという、伝道宗門としてあるべき姿を見せた。そして、今後、大法要の導師をお務めいただく菅野日彰管長猊下は布教の大家であられる。日蓮聖人のご降誕を、今を生きる我々がどう受けとめればいいのか、ご親教で説いて下さればこの上なくうれしい限りである▼さて、千ヵ寺参りに挑戦している檀信徒がいる。すでに300ヵ寺は超えているので、「お参り通」といってもいいだろう。お寺にはそれぞれの事情があり、参拝者への対応もまちまちなことも分かっている▼彼は地元スーパーでお客からのクレームを処理する部署にいる。仕事柄、人の話を聞くのは上手で、確かな観察眼も持っているようだ。ご首題をいただく時の本堂の荘厳、住職から発せられる言葉で、そのお寺の実体が垣間見えるという。ご首題を書く側にとってドキッとする言葉だ▼その彼は、ご首題とともにいただいた励ましの言葉が、お参りを続ける源だと言う。言説布教を突き詰めれば人の心を動かす小さな言葉と行いとなろう。伝道宗門の原点はここにあると考えたい。 (雅)