2017年11月1日
昨今、運転トラブルから核開発・ミサイル問題まで
昨今、運転トラブルから核開発・ミサイル問題まで、人間の感情のキレ方が話題になっている▼怒りの感情をうまくコントロールするのが現代人は苦手だ。「人前で怒ってはいけない」と教えられても、何故いけないのか、どう対処したらいいのか、理由や具体的方法論を理解しないまま、大人になっているように思う▼「怒り」について考えた。仏の説く「三毒」の中の「瞋(瞋恚)」がこれに当たる。「怒」の奴は激しい勢いを加えてことなす事、下に心がつくので、その心の状態をさす。ではどんな時に怒るのか。仏の言葉を現代風に解釈すると、自分の信じている価値観が目の前で裏切られた時、人は怒る。「〇〇するべき」のべきが、適わなかった時と考えてもいい▼学校や社会が一定の規律や方向性を持っていた時代から、価値観の多様性を許容する時代に変わり、普通に違う価値観を持つ人が自分の回りに存在し、イラッとすることが増えた。耐え忍ぶことへの耐性(忍辱の心)が下がっている▼「褒めて育てる」が10年以上続いた結果、指導には褒めることも叱ることも必要なのに、叱ることができなくなった。叱る技術を磨くだけでなく、根本から、宗教的教育を考える時がきているという▼「うらみをうらみで返してはいけない」あの東京裁判のパール判事の言葉を思い出す。怒った人に怒り返す人は、悪をなすのである。 (雅)