2017年8月20日
境内を歩いていたアライグマの子どもを
境内を歩いていたアライグマの子どもを2匹捕獲した。お堂を荒らすやっかいな動物だ。アライグマに限らずイノシシやシカなど、昔は山の奥深くにいたものが里へ出てきて、田畑や境内を荒らすようになってきた▼動物ばかりか植物までが、私たちの生活環境を荒らしているのが現状だ。広島や最近では熊本の土砂災害などはスギの植林地で発生している。第二次大戦後の森林整備政策の不備を指摘する専門家もいる▼この先私たちの生活空間は一体どうなっていくのだろうか。山は崩れ、今まで見たこともなかった生物に脅かされるのかと思うと不安がたかまるばかりだ▼しかし考えてみれば、アライグマは遠い国から誰かが運んできたものだ。それがやがて飼い主に捨てられ野山に住み着いたのである。スギにしても適した条件のもとに根を下ろし適確に育てられたものは決して悪いものではない。我々人間こそが環境を破壊した張本人なのである▼ならば良い環境を造るのも我々の役目ではないか。過去を教訓にどうすればよいのか、しっかりと先行きを見定めねばならない▼これは信仰の世界も同様だ。我が宗門の目指す「浄仏国土」とはどのような世界なのか、単なる合い言葉ではなくこれを具体的に明示し、何をどうすればよいのか実現のための道程を説き示すべきではないか。今まさにその時が来ていると認識すべきである。(直)