2017年5月1日
境内で騒ぐ子たちがいる。
境内で騒ぐ子たちがいる。あまり騒がしいので窘めるために外に出た。「お前たちはどこの子だ?」すると「仏の子だよ」と切り返された。見れば毎月のお経にいった時に「ウチは保育園じゃないって言っているんですがね。いつも娘が孫を預けていくんですよ」と嘆き節が入る檀家の孫だ。「そうは言ってもお孫さんは可愛いでしょう。仏の子ですからね」と答える私の話を聞いていたに違いない▼昨年12月、スイスのバーゼル大学などが、孫や他人の世話をする高齢者は長生きすると発表した。祖父母を、孫の世話をする・しないのグループに分け、更に孫がいなくても他人の世話をしたグループを加え、調査研究した結果だ▼良好な対人関係が築かれて時に分泌される「オキシトシン」というホルモンをご存知だろうか? 今評判の「幸せホルモン」の一種だという。このホルモンは、ストレスを緩和し、幸せな気分をもたらす。孫を抱く時、ペットに触れる時、この幸せホルモンが出て元気になるのだ。スキンシップで心のバランスを整え、無意識に自分自身の心のケアをしていると考えてもいいだろう▼今年の寒修行に、この檀家さんも参加した。訪れたお宅で20歳も若く見られて喜んでいた。「お題目修行のお陰ね」と聞かれて、私は「そうだ」と答えた。仏の子である孫の世話をすることで、幸せホルモンが出て若返ったのだと私は信じている。(雅)