2015年10月1日
家内が浮かない顔をして帰宅した。
家内が浮かない顔をして帰宅した。自分が卒業した高等学校の制服を着た女子生徒たちの中に親友がいるのをデパートで見つけ「チャコ!」と叫んでしまった▼呼ばれた女子生徒は知らないおばさんに声をかけられさぞ気味が悪かったのだろう。逃げていった。それでようやく40年も昔にその学校を卒業していることに気づいて赤面したと▼師父の後を継いで住職になった寺の年忌法要の後で、参列者の一人から「みっちゃん」と声をかけられたことがある。師父の中学校時代の同級生だった。「みっちゃん」は当時の師父の通称だ。その面影がダブってしまったのだろう。自身が歳をとったことを一瞬、忘れたのだ▼何かの疾患でなければそれもいいなと最近思うようになった。いつまでも若いつもりでいると考えも行動も若々しくなる。若者と同じ話題で酒が飲めるから誘いも絶えない。そんなつきあいの中で仏教の話を聞きたいという若者が多いことを知る。これが同年配だとなかなか説法というスタイルにはならないが、一応人生の先輩として話を聞いてくれる▼年齢や立場を越えて語り合う場は、互いの成長を促す。同業者とのつきあいも楽しいが、若い人たちの中に入っていくのはおもしろい。「お坊さんがお酒を飲んでいいの?」という質問から、日蓮聖人のご生涯や法華経の話に入る。法華経と縁を結ぶ場はどこにでもあるのだ。(寮)