2015年6月10日
昔から「食わず嫌い」の人は多い。だが実際食べてみると、
昔から「食わず嫌い」の人は多い。だが実際食べてみると、意外に美味しいことに気付く。思い込みということだろう▼筆者も思い込みで、恥ずかしい思いをしたことは少なくない。「秘湯」をずっと「ひゆ」と読んでいた。ある方から「ひとう」と読むのだと指摘された。どっと汗が噴き出し、笑って誤魔化すので精一杯だった。そのご当人も「小春日和」を春のことだと思い込んでいたというのには救われた▼先日、千葉県本山藻原寺第2世日向上人遠忌報恩事業の一つ、「オラトリオ日蓮聖人」(DVD)を鑑賞した。クラシック音楽は得意ではないと思い込んでいたためか、1年も前に宗門から頂いていたのに、ようやく観たという次第である。観て驚いた。日蓮宗宗立学寮生の行脚隊、立正大学グリークラブ、地元茂原市民の合唱団、茂原交響楽団など、まさに出演者の心がひとつとなった完成度の高いものであった。企画立案に始まり、演奏者、出演者の交渉と決定。パート練習、合同練習を積み重ねての檜舞台であったろうことは想像に難くない。何より賞されるのはその熱意と行動力だ。来る宗祖御降誕八〇〇年を檀信徒とともにどう迎えるか。参考とすべきものがある▼「食わず嫌い」のままではもったいない。是非ご覧になって頂き感動を共有したい。そのうえで衣を作務衣に替え、共に考えたいものだ。ご聖日の朝日はもう見え始めている。(汲)