2014年8月1日
天気予報で使う「平年」
天気予報で使う「平年」とは、過去30年間の平均を言うのだそうだ。それを10年毎に更新しているらしい。平年より高めとか低めの気温というのもそれを基準としている▼地球の気温は、やはり高くなっていると思うのは、昭和30年代には、気温が32度にもなれば大騒ぎをしていた思い出があるからだ。今ではその程度の気温は平年並みでしかない。蛙が入った水を少しずつ温めると、やけどするまで気づかないという話と似ていて怖い▼今年も都会では天の川が見えない。見えないのが当たり前になって久しいから若い世代には一度も見たことがないという人も多いのだろう。昭和20年から30年代にかけて、天の川はごく自然に見えていた。旧ソ連が世界で初めて打ち上げた人工衛星を、小学校の理科の時間に作った簡単な望遠鏡で観察したものだ。それが「平年」の空の様子だった▼雨の降り方も変わった。梅雨といえば朝からしとしとと降るのが常だったが、今ではゲリラ豪雨が日常になった。竜巻や雹の被害も頻発している。昨今の大きな変化は異常気象が原因だとも言われているが、異常も30年続けば平年になる▼大自然の営みはどうすることもできないが人間の営みを変えることはできる。社会のルールを無視した若者たちの暴走ぶりを「平年並み」にさせないためにも時代を超えた絶対的な基準が必要だ。(寮)