オピニオン

2014年5月1日

年に一度呼ばれる家がある。

年に一度呼ばれる家がある。山林を管理し、木材を出荷する山持ちの家だ。先祖は修験道の山伏だという。法要の後の宗教談義が楽しみで、彼の話を聞く。明治政府の廃仏毀釈の嵐のなかで、修験道は禁止された。その時、17万人の山伏が俗に戻されという。明治初期の日本の総人口は3300万人、17万人はとてつもない数だと彼は言う▼現世利益の加持祈祷を中心に、庶民のなかに根を降ろした修験道にとって、祈祷が迷信とされ、宗教の近代化とは「こころ」の問題を中心とする宗教の内面化にあるという政策は、大打撃となった▼代々伝えられてきた教典や道具は打ち捨てられ、辛うじて厄除けなどの行事やお守りなどが習俗となって残った。が「行」は捨てられた。心だけでなく、身体を使う修行を排除して宗教は成り立たない。頭のなかだけの宗教になってしまう。外界は価値を失い、自然に対する畏敬の念が失われ、修行の場である山も荒れた。信仰の対象も心のなかに閉じ込められ、神仏は居場所を失ったとさえ彼は考えている▼必要なのは、身体性の回復であり、感性の重視で、「行」の復活が重要なのだと言うのだ▼日蓮聖人は、禅の自力や浄土系の他力と根本的に違う立場から、仏と凡夫の互具を説く。仏の子たる我々は、既に仏の慈悲のなかに居て、日々の「行」を勤めている。我々は行と学の二道を離れて歩めないのである。(雅)

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