2013年11月10日
「子供に迷惑をかけたくない」
「子供に迷惑をかけたくない」よく耳にする言葉だ。他人事だと思っていたが、例に洩れず私も聞いてしまった。母と友人の会話を。「老後はできるだけあの子達の負担にならないように…」なんて水くさい! 私が老後のお世話を負担に思っているとでも? 自分をあてにされていない寂しさと同時に、母にそんな言葉を言わせてしまう自分が情けなかった。考えてみれば、そう言わせるだけの態度をとってきたのは私だ。病院の送り迎え、面倒な顔をした時もあった。頼まれた用事を後回しにして忘れてしまうことも。それでも私に甘えて欲しいと思うのは子どもの身勝手なのかもしれない▼老後だけではない。世間では「子どもの負担にならないように永代供養にしたい」という話もよく聞く。金銭的なこともあるが、煩わしい思いをさせたくないということらしい。子を思う親心? 果たしてそうだろうか。第一、親の供養が〝負担〟で〝煩わしい〟ことであるなら、その方が今までしてきたご先祖様の供養も
〝負担〟でしかなかったのか? それではあまりに悲しすぎる▼両親の50回忌をされたお施主さんが言った。「親の50回忌ができるまで寿命を頂けた、有り難いことです」晴れやかな笑顔だった▼どうか私達子供に親孝行をさせてほしい。今現在、老後、そして亡くなった後も。不器用ながらもその恩に報いたいと思っている子供は多いのだ。(蛙)