日蓮宗新聞

2026年5月1日号

令和大改修佐賀県本山光勝寺が再び光放つ

★佐賀光勝寺①九州唯一の本山・佐賀県小城市光勝寺で、日蓮聖人降誕800年と同寺開闢700年慶讃事業として進められていた本堂などの改修を完遂したための落慶法要が3月8日に営まれた。同時に当年度の日蓮宗加行所の副伝師を務めた松島日應貫首の結界修行1300日達成の国祷会も行われた。僧侶檀信徒約250人が参列した法要には松島貫首のもとで2月に加行所を成満した8師が出座し、法華経の読誦や修法で美しく荘厳された堂内がさらに仏さまの心で満たされた。

宝暦5年(1755)建立の現本堂をはじめとする同寺の伽藍は、〝廃寺〟と揶揄されるほど劣化が著しかった。先代の平井日延上人が改修を発願するもまもなく遷化となり、現松島貫首が法灯とともに改修の志を引き継いだ。本堂だけではなく、二天門・総門・龍宮門・書院・庫裡などを含め、偉容を誇る本山を取り戻すために「令和大改修」として復興事業を立ち上げた。同寺檀信徒からの寄進をはじめ、松島貫首が全国約1200ヵ寺や関係者をまわり浄財を受けることができ、建物の修理以外にも各仏像修復や大きな鬼子母神像などの新規彫刻、仏具の奉納があり事業が円成した。彩色はほぼ各創建、造立当時を再現している。
祝辞に立った九州教区長の刀禰義弘師は「九州のたった1つの本山として今後、大勢の人を迎えてください。日蓮宗の誇りです」と朽廃からの復興を称賛した。また鳥取県妙興寺住職の酒井英孝師が事業にあたっての松島貫首のエピソードとして「貫首、宗務所長という立場でも加行所に入ったのは、〝法華経とお題目で命をつなごうとしている全国の人たちに光勝寺に来てほしいから〟だと。事業を完遂させるためにもっとお経を読み、水を被らなければならないと話してくれました」と紹介した。
謝辞に立った総代の山田秀樹さんは、「何百年と親しまれることを」と願い、信徒代表の野田昌幸さんは「私たちも光勝寺とのご縁と教えを多くの人に知らせていきたい」と笑みを浮かべた。最後に松島貫首が「お礼を述べたい人たちが大勢います。光勝寺は私のお寺ではなく皆さまのお寺です。どこのお寺の僧侶檀信徒も集って信仰を捧げられるのが本山。皆さまで盛り立てていただけることを願っています」と頭を垂れた。
今後の予定に信徒会館の新築がある。約200人が収容でき、管区、九州教区の行事のみならず声明師養成講習所など宗門の研修にも対応する機能をもたせるという。松島貫首は「皆さまからの協力による光勝寺の復興に〝九州はひとつ〟〝九州から法華経・お題目を弘めていこう〟という気概と機運を感じました。期待に応えるためにも全国の皆さまをお迎えする態勢を整えたい」と抱負を語った。
落慶法要は今後、佐賀以外の関係者、宗門や全国本山関係者を招待した2回を予定しており、お披露目される。同寺ではまだ祖師堂の修復を残すため、引き続き浄財を勧募している。

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復興進む首里城にお題目結縁の誓い

★首里城修法令和7年度日蓮宗加行所の伝師部や入行僧侶からなる沖縄修法布教団は、例年恒例の戦没者慰霊と平和のための修法祈祷を3月10日、国営沖縄公園の那覇市首里城公園で行った。近年、仏教宗派による首里城での法要は例がないといい、日蓮聖人第700遠忌の事業として建立された同市法華経寺の伊東政浩住職が、令和13年に迎える同750遠忌に向けて沖縄と法華経・お題目の結縁を改めて誓うべく、開催に尽力して実現した。

明治初期まで琉球王国の象徴とされた首里城は、約570年前の王国誕生以来、何度も焼失の憂き目に遭ってきた。近年では令和元年の火災が記憶に新しいが、世界中から復興のための資金が寄せられ今年の秋には正殿の復元工事が終了する予定。祈祷当日現在は、すでに素屋根が取り外され、特設の見学通路から特徴的な朱色をメインにした鮮やかな彩色が施された正殿が見られた。
また琉球王国時代には、首里城周辺の臨済宗円覚寺をはじめ、多くの寺院が建立され、国の鎮護が祈られていた歴史がある。現在の沖縄の信仰が先祖・自然崇拝が主なのは、廃仏毀釈が激しかった薩摩藩とつながりが強かったため、記憶から仏教が薄れた影響もあるという。しかし、ブチダン(仏壇)やトートーメー(位牌)という仏教由来の文化も根付く。日蓮宗では大正2年(1913)から布教が始まり、妙徳寺が創立されている。法華経寺は、沖縄の本土復帰後の日蓮宗による沖縄伝道、慰霊行脚により沖縄開教の機運が高まり建立された。設立当初から、駆け込み寺のように事情がある幅広い年齢層の人たちを受け入れており、社会の法華救済寺院として存在感を増している。
正殿正面の奉神門前で行われた法要には、伝師の松宏泉師を導師に副伝師や成満僧約40人が出仕し、伊東住職や同県議会議員の新垣淑豊さんらが参列した。自我偈の読経中に中央の門が開くと鮮麗な色彩の正殿が現れた。松伝師らは沖縄での戦没者の慰霊と恒久の平安を願い修法した後、お題目を一心に唱えた。松伝師は回向文で沖縄を守護する諸天善神に祈り、改めて慰霊の誠を捧げた。また首里城の無事の復興と沖縄の発展を願った。新垣議員は挨拶で謝意を表し、「沖縄の人たちとともに平和を考えてほしい」と話した。
松伝師は「ひとたび戦争が起きれば、家族を守るために人を殺めることが正義となる。そんな戦争を起こしてはいけない。そのために戦争が悲惨で残虐なものということを風化させない。〝慰霊なくして平和なし〟を大切にしていきたい」と語った。
伊東住職は「法華経寺の建立から50年を迎えることに合わせて、復興間近の沖縄のシンボルとなる首里城で改めて法華経との結縁をすることができた。おそらく琉球処分後に仏教法要が行われるのは初めてではないか。今だからこそ法華経なんだ、法華経による救いが必要なんだ、ということを広く沖縄の人たちに伝えていきたい」と誓いを新たにした。

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新年のご挨拶。

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