日蓮宗新聞

2018年11月20日号

日蓮宗加行所始まる

加行所入行会 千葉県市川市大本山中山法華経寺に日蓮宗加行所が11月1日に開設された。加行所は修行僧が自らの意思で入る日蓮宗の機関。わずかな食事と睡眠の百ヵ日の間、読経と水行三昧を行うことで秘法である修法を相伝される。今年は、厳しい修行に自ら身を投じる僧侶88人が門を叩き、入行会で成満への誓いを立てた。
入行直前、初行最年長42歳の青戸廣道師は「お世話になっている方、期待して待っている方のために、必ず成満します」と気を引き締め、自らを奮い立たせた。
新井日湛伝主(法華経寺貫首)を導師に営まれた入行会では加行所5回(五行)成満修法師でもある中川法政宗務総長が初行から五行までの各入行僧へ訓示を述べ、「決意ある力強いお経を聞かせていただきました。百日後には、真の初行から五行までの行僧として、さらに天地を圧倒するお経を聞かせてほしい」と修行の成果に期待するとともに、「今日ほど覚悟ということが身にしみるときはない。だが、厳しい百日の行で生まれ変わることができる。その暁には、人を導く修法師・仏使として立正安国を実現するため、布教伝道宗門の一翼を担ってほしい」と述べた。
吉澤順将伝師は「いよいよ平成最後の加行所となります。本日から自由、社会的地位、自我、生命を尊神さまにお預けし、行道清規のもと師厳道尊、三宝給仕、読経三昧に精進しながら、来年2月10日を迎えることをお誓い申し上げます」と覚悟を述べた。
入行会後、山内での行列が行われ、入行僧は多くの檀信徒に見守られながら、娑婆と修行場を隔てる結界となる「瑞門」をくぐった。

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2018年11月10日号

近畿教区大会開く

近畿教区大会①京都市大本山妙顯寺で10月28日、日蓮聖人降誕八百年を記念した近畿教区大会が開かれた。第54代日蓮宗管長・菅野日彰猊下が大導師を務めた初となる慶讃法要も盛大に営まれ、約1,000人の僧侶檀信徒がお題目を捧げてお祝いした。
当日は教区内5講中が妙顯寺周辺を万灯練供養を行うとともに、各青年会が唱題行脚を行った。かつて京都では法華経信仰者を中心に活躍した町衆がいたように、お囃子やうちわ太鼓が「法華ここにあり」と言わんばかりの音を響かせた。大会開始前にも関わらず、熱気が高まっていった。
大会前半は、コーラスや和讃、修法などの後、子どもの沙弥も諸役として出仕する音楽大法要が営まれた。僧侶が唱える声明や読経と沙弥が担当する銅鑼やハチの鳴り物や、散華しながらの行道などで華を添えた。菅野猊下はご親教で「自らを旃陀羅の子と言われる日蓮聖人は当時の貧しい人びとの苦労を存分にご存知でした。その日蓮聖人お1人が、法華経をお釈迦さまの真実の言葉として受け止められ、行動を起こし、立正安国、生きとし生ける全ての人びとの平安・安心の世界の実現を呼び掛けられました。先師や各家ご先祖さまから伝えられてきたこの法の灯火を仏使の役割として次の世代へ繋げ、立正安国・四海帰妙という祖願を皆さまご自身の誓願にしてほしい」と述べられた。
後半はかつて舞台で日蓮聖人を演じた俳優・嵐圭史さんが講演。当時の台詞で演技すると、参加者は嵐さんが描く人間味のある日蓮聖人像に魅了された。最後には唱題行が行われ、全員で心を1つにしたお題目が再び京の町に響き渡った。
参加した男性の1人は、「いま、こうやって多くの人と出会い、お題目を唱えられるのは、日蓮聖人がお生まれになられたおかげ。お題目を次世代につなげるために、努力していきたい」と語った。

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2018年11月1日号

池上本門寺で第737回日蓮聖人お会式

お会式①「我れ日本の柱とならん。我れ日本の眼目とならん。我れ日本の大船とならん」。誰もが安穏に暮らせる社会を目指し、法華経とお題目の弘通にご生涯を捧げられた日蓮聖人の第737回の祥月命日を10月13日に迎えた。ご入滅の地・東京都大田区の大本山池上本門寺では、今年も11日からお会式(日蓮聖人のご入滅を偲び報恩を捧げる一連の行事)が盛大に営まれた。
お逮夜と呼ばれる12日夜には万灯練供養が行われた。池上の町に着くと、講中と呼ばれる信仰団体が万灯にたくさんの灯りをともしてお囃子を鳴らしたり、纏を振って池上の門前町を練り歩きながら池上本門寺の大堂(祖師堂)を目指していた。今年は88講中が参加し、日蓮聖人への報恩の誠を捧げた。この練供養を見ようと、参道や本門寺境内は大勢の参拝者で溢れかえった。
練供養は午後6時頃から始まり、講中は順々に此経難持坂と呼ばれる96段の石段を登って大堂前に設えた角塔婆前に到着。ここが講中たちの最後の晴れ舞台となる。色とりどりの万灯を従えてやってきた講中が、見守る参拝者の前で勇壮な纏の技とお囃子の腕前を披露すると、ひときわ大きな歓声が上がった。毎年、講中の高張り提灯を掲げて行列を先導しているという講中の世話役の男性は「若いのから年寄りまで、男も女も練り行列に参加してる連中はみんないい顔している。もちろん見に来てくれた人も。お会式はやっぱりこれだよ」と微笑み、お題目に出会えた喜びと報恩で人と人とがひとつ心になれるお逮夜の素晴らしさを一言で表してくれた。
翌13日、大堂は日蓮聖人を慕う大勢の人たちで溢れた。昨夜とは打って変わった静けさのなか、誰しもが日蓮聖人のご入滅の刻を待った。まず説教師の山口顯辰師がご降誕から始まる艱難辛苦のご生涯を口演。山口師の語り口と日蓮聖人への思いが心の中で触れ合う。お題目と出会えたこと、唱える喜び、今を生きる活力、そういったことがこみ上げてくる。法要では、導師の菅野日彰貫首猊下の打ち鳴らすご入滅の刻(午前8時頃)を知らせる「臨滅度時」の鐘の音に、涙を抑えることはできなかった。

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新年のご挨拶。

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