日蓮宗新聞

2005年1月20日号

宗務院に復興支援を要請

「被災した仏教国の復興は我々仏教徒の手で」。スマトラ沖大地震で大きな被害を受けた仏教国スリランカは4万人近い死者、50万人の避難生活者を出している。1月11日、スリランカの仏教僧ダンミッサラ師が東京大田区の日蓮宗宗務院を訪れ、同じ仏教徒からの手助けがほしいと復興支援を要請した。
ダンミッサラ師はスリランカ仏教界を代表する人物で、現在は日本スリランカ国際仏教センター(東京都八王子市)で両国の文化・教育啓蒙活動を行っている。本国スリランカでは長引く内戦で苦しむ子供たちの教育振興に力を入れてきた。
昨年12月26日の津波発生時、ダンミッサラ師はちょうどスリランカから日本に着いた頃で、テレビ画面に映る祖国の惨状に驚愕した。
今回はスリランカ文化大臣の日本仏教教団への正式な支援要請の文書を携え、日頃から協力を受けていた日蓮宗を訪れたのである。
ダンミッサラ師によると、スリランカには約1万の仏教寺院があり約35万人の僧侶がいるが、今回の津波で48ヵ寺が流され多くの僧侶が死亡したという。また子供への被害も多く、現在1万人を超える孤児が住むところもなく寺院などに集まってきている。同師は孤児院の必要性を強く感じ、最初に取り掛かりたい事だと述べる。
100万円の資金で50人の子供を収容できる孤児院を作ることができるといい、少しでも多くの支援を待っている。
ダンミッサラ師と共に宗務院を訪れた特定非営利活動法人T・M良薬センターの小野文珖師(群馬県天龍寺住職)は「国連や国際機関による大規模な支援活動もありますが、地域の村々への支援活動は寺院を通じた方がよく届くと思います。スリランカ国内の寺院ネットワークを使い、仏教者同士の支援を行いたい」と述べた。
これを受け岩間湛正宗務総長は「ご趣旨をよく踏まえ、対処していきたい」としている。
ダンミッサラ師のスリランカ復興活動への支援は日本のT・M良薬センターが窓口となる。また同センターでは3月中旬にスリランカをダンミッサラ師とともに訪れ、現地での支援活動を計画している。

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「復興を切に願います」

日蓮宗総本山身延山久遠寺(藤井日光法主)では、1月13日、伝統の御年頭会が盛大に営まれた。
 御年頭会は日蓮聖人の一年初めの月命日でもある正月13日に、門下一体となって久遠寺の棲神閣祖師堂で聖人の御魂に謹んで御年賀を申し上げる新春の重要な儀式。そのいわれは、聖人身延ご入山の翌年である建治元年(1275)の元旦、六老僧と開基檀越が御草庵に参集し、親しく聖人に拝したことに始まる。
当日は六老僧の系統である六門跡寺院の貫首、岩間湛正宗務総長をはじめとする宗務内局や宗門各機関の関係者、檀信徒約400人が参列した。
午前10時から、藤井法主猊下ご名代の井上瑞雄身延山久遠寺総務の導師による御年頭法要が営まれ、祖師堂前では古式ゆかしい「曳馬式」も行われた。手綱を引かれた二頭の馬に井上総務が人参を与え、快晴の空の下で参拝者は目を細めていた。
続いて身延山大学講堂に場所を移して新春祝賀宴が催され、藤井法主猊下が元気なお姿でお出ましになられた。
藤井猊下はお声の調子が思わしくないため、井上総務が脇でお言葉を代読。お言葉ではまず「昨年は天変地異に明け暮れた一年でした。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。またインド洋沖地震による大津波では心配が絶えません。スリランカにある三つの身延山別院は大きな被害はなかったと聞いておりますが、久遠寺からもいち早く現地へ人員を派遣しました。復興を切に願います」と打ち続く災害への思いが述べられた。
また、ご自身の体調については「少なからぬ回復の兆しがあり、皆さまに感謝申し上げます」と言及され、昨年いよいよ計画が実動した久遠寺五重塔建立に向けて「途絶えてはならないお題目の心を伝えていくために皆さまのご協力を」と決意を新たにされた。
お言葉は最後に「酉年は前進の年。混迷の世でも、人の命の尊さを伝え続けたい」と締めくくられ、参列者一同、さらなる祖山の発展を祈った。

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伝統宗門のさらなる発展を

平成17年の新たな幕開けを期して、恒例の「御用始めの儀」が1月11日に日蓮宗宗務院の五階講堂で行われた。
午前11時から、岩間湛正宗務総長を始め、内局各部長、全国各地の本山貫首、宗会議員、宗務所長ら約200人が参列する中、岩間総長を導師に伝道宗門のさらなる発展を祈念して法味が捧げられた。
続いて、身延山久遠寺法主の藤井日光管長猊下からのお言葉が、ご名代の岩間総長によって代読された。藤井猊下は昨年から沸き起こる数々の災害を憂慮されており、お言葉には「このような様相の中、人々に正しい道筋を示すのは苦難な事ですが、仏教者として皆で取り組まれることを望みます」というお言葉が示された。
法要後、同会場で行われた賀詞交歓会では、岩間総長が壇上に立ち「昨年の度重なる災害は単なる偶然ではなく、地球規模の気象変化によるものという見方もあります。地球存亡に関わる重大な危機にあたり、私たち自身が気持ちを改める時期が来ているのかもしれません。これからも生命の尊厳を掲げ続け、宗門運動を進めていきます。本年もよろしくお願い申し上げます」と年頭の挨拶を述べた。
続いて参加者一同の「ヨイショ」の掛け声に合わせて鏡開きが行われ、平和への希望を共に願った。

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新年のご挨拶。

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