日蓮宗新聞

2020年3月20日号

新型コロナウイルス感染拡大防止を

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、中川法政宗務総長が全国74管区の宗務所に各地域の情勢を考慮した上でイベントや行事の対応を行うよう求めたことを受け、宗門内では行事の延期・短縮・中止などの措置がとられている。千葉教区では、3月27、28日に予定されていた日蓮聖人降誕800年教区大会の延期を決定。北海道教区でも5月12日予定の同大会の延期が決まった。また3月10日から13日までの4日間で行われる予定だった宗門最高の議決機関・宗会も2日間に短縮しての対応を行った。

全員マスク着用で開かれた宗会初日の開会式では、菅野日彰管長猊下が教旨を述べられた後、世界的な疫病となった新型コロナウイルスの感染状況を危惧され、「このような国難のときこそ、日蓮聖人の立正安国のご教示に思いを馳せ、大きな祈りの心を檀信徒のみならず未信徒に伝えるべき。そして、門下1人ひとりが早めの対策を講じてほしい」と日蓮宗全体で感染拡大防止に取り組むことを求められた。また中川総長は施政方針表明のなかで僧侶・寺族・檀信徒が感染した場合、手厚く救済できる態勢を整えることや、小中学校の休校に関し、「子どもを預かる寺院があれば支援したい」と話した。さらにコロナウイルスに関連した社会貢献活動を行っている団体に日蓮宗あんのん基金を活用する旨を述べた。また宗会閉会時に宗会議員一同で声明文を発表することを表明。新しく宗会議長に就任した柳下俊明師が代表して声明を読み上げ、罹患した人たちへの見舞いと亡くなった人たちへ哀悼の意をお題目で捧げた。
山梨県総本山身延山久遠寺では、例年枝垂れ桜の開花に合わせて参拝客で賑わうが、今年は観光協会と連携してシャトルバスの運行中止を決定した。東京都大本山池上本門寺では、マスク着用で朝のお勤めなどが行われているほか、各種イベントの中止や檀信徒の参列なしでの春彼岸や花まつりの法要のみを営むことを決めた。
また全国的に感染者数が多い都道府県の宗務所長の1人によると、管内では参列者なしの彼岸会を営む寺院が多いという。ちなみに同所長の自坊の彼岸会は毎年、中日に檀信徒約400人が参列しているが、今回は17日の彼岸の入りから23日の明けまでの自由参拝とした。堂内は充分な換気に留意し、食事の提供は取りやめたほか、堂外からもお参りができるように配慮するという。「参拝を遠慮される檀信徒もいらっしゃるが、こんなときだからこそ、お参りして仏さまやご先祖さまにお願いしたい人もいるかもしれない。そのためにも万全な対策を講じて参拝者を迎えたい」と語っている。本山と一般寺院では規模が異なるため、対応の違いはあるものの、檀信徒はもちろん、一般参拝者・僧侶・寺族への最大限の配慮がなされている。

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2020年3月1日号

誕生寺で第799回日蓮聖人降誕会

誕生寺①日蓮聖人降誕800年のご正当まであと1年となった2月16日、千葉県鴨川市大本山誕生寺で第799回降誕会が営まれた。当日は、お題目を唱える他教団の信徒らとともに降誕を祝う誕生寺主催の「お題目サミット」、また前日には日蓮聖人降誕800年誕山顕彰PTと誕生寺が中心となって開いた境内に格護される「誕生の井戸」開眼法要や「高安関とふれあいちからくらべ」、また小湊地区の観光業関係者組織の日蓮聖人降誕800年誘客委員会主催の竹灯籠キャンドルナイトや和太鼓演奏などで賑わい、いよいよ800年への機運が最高潮に達してきた。

降誕会では、中川法政宗務総長をはじめとする僧侶檀信徒ら約250人が参列した。舞踊や灑水散華、式衆が奏でる雅楽や声明、石川日貫首の慶讃文が、日蓮聖人が降誕される800年前当時の奇跡の瞬間への予感を参列者に与え、全員で唱えるお題目がまさに降誕のときとなる法要となった。
中川総長は「800年の時空を超えて、降誕とお題目の聖地になっているのが、まさにいまの誕生寺です。ご正当まであと1年となった今日、ともに唱題できる悦びをもって、日蓮聖人のみ心を我が心のなかの柱にして、力強く800年に向けての新しい第1歩としましょう」と呼びかけた。また石川貫首は「日蓮聖人の南無妙法蓮華経というお題目の根本は、〝うまれる〟こと、つまり今生きている〝いのち〟が大事だということです」と述べ、さまざまな問題が降りかかる現代において人びとの救済のためにお題目を弘めることを説いた。

「誕生の井戸」開眼法要は、もとから境内にあった「誕生の井戸」に覆屋を建設し、誕生寺を顕彰するために行われた。
誕山顕彰PTでは、日蓮聖人降誕時の三奇瑞の1つにあやかり、「誕生の井戸」からの水(誕生水)を用いた子宝・安産・発育という誕生に関わる祈りを叶えるための特別祈祷を始めることで、誕生寺をPRしたいとしている。
祖師堂では、汲まれた誕生水を用いて、発育円満特別祈祷も行われた。角濵監鏡執事長は、参列した子どもたちに誕生水を灌頂し、健やかな成長を祈った。
大相撲の高安関を招いたイベントでは、子どもたちが相撲や綱引き対決、写真撮影、握手を行い、笑顔の花を咲かせた。
今後は、覆屋のほか脇に小湊海岸風景をあらわした石庭も作られる予定。

「お題目サミット」は誕生寺の石川日貫首が、大慶事の降誕800年を、お題目を唱える他教団などとともに祝おうと発案し、開かれた。大本山池上本門寺の菅野日彰貫首猊下や総本山身延山久遠寺の内野日総法主猊下名代の浜島典彦副総務をはじめ、立正佼成会など全12教団・寺院の代表者や檀信徒らが出席し、式典ではともに唱えたお題目を弘めることや、助け合いながら世界平和仏国土建設へ精進することを誓願した。石川貫首は趣旨に賛同し参加した教団らに謝意を表し、「私たちは立場は違えど、釈尊から命を受けた地涌の菩薩です。すべての人が安穏な生活を営めるために、今、私たちが手をとりあって、日蓮聖人が示されたお題目の実践によって報恩の誠を捧げていかなければなりません」と挨拶した。
また会議では角濵監鏡執事長が、「一緒にお題目を唱えたいという気持ちが先行して開催することができた。第1回となる今回はサミットまでの準備はできなかったが、この会を存続させ、お題目を唱える者が協力し家庭から地球までさまざまな問題が多い世の中を変えていきましょう」と呼びかけた。同じテーブルに着いた代表者らは安穏な社会に向けて働きかけていくことを互いに確認し合うように懇談した。

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新年のご挨拶。

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