日蓮宗新聞

2009年3月20日号

第97定期宗会開く 海外開教の体制強化

第97定期宗会が3月10日から13日まで、東京都大田区の日蓮宗宗務院で開催された。宗会は、全国の住職・担任から選出された宗会議員が、日蓮宗の宗制や予算など宗務に関することを決める機関。今宗会には45人の宗会議員全員が出席し、主に、海外開教に関する規程改正や平成21年度予算などが決まった。国際交流活動の推進は「立正安国・お題目結縁運動」の重点項目にも掲げられており、海外開教の体制強化はお題目による立正世界平和の実現に向け大きな一歩となった。
開会式で酒井日慈管長猊下は、『立正安国論』奏進750年を迎えた本年、今こそ法華経に帰一し、その一言一句を生活に活性化すべく全身全霊をもって行ずるときとし「論議に相まった行動力を旨とされ、今次宗会の提出議案に慎重なるご審議を切望します」と述べられた。
議長選挙の結果、新議長に遠藤文祥師(静岡県妙祥寺住職)、副議長に渡邉義生師(千葉県長胤寺住職)が就任し本会議へ。はじめに小松浄慎宗務総長が施政方針挨拶を行った。その中で、各寺院・教会・結社の宗費負担額を昨年度比で20%増額すること、御降誕800年準備積立金を予算化すること、また、2、30年先の指導者を養成する義務があるとし新たに「宗門人材育成費」を設け、海外の大学や研究所などとの人的交流を行っていくとした。
また、日蓮聖人第七百遠忌の際、布教伝道の助成を目的に設立された「日蓮宗綜合財団」について説明。昨年12月に国の制度改正により公益法人に関する新しい法律が施行され、綜合財団が特例民法法人となったことから、保有する基金を日蓮宗に移行するため「布教助成特別会計」の制定と財団の解散の同意を提案した。
「立正安国・お題目結縁運動」に関しては今年を四年第一期の節目と位置づけ、①鎌倉市本山妙本寺(6月8日)と大本山中山法華経寺(6月10日)での宗門法要②「立正安国論シンポジウム」(6月9日、東京・立正大学)③日蓮聖人門下連合会・京都国立博物館・日本経済新聞社・京都新聞社主催の展覧会「日蓮と法華の名宝-華ひらく京都町衆文化-」(10月10日~11月23日、京都国立博物館)を開催すること、さらにご正当の7月16日を中心に全国各宗務所で記念大会や記念法要を行うようお願いをしているとした。
今宗会で可決された議案の一つは海外開教師について。現在日蓮宗では海外の開教拠点や新開教地で25人(平成20年度時点)の開教師が布教活動を行っている。宗門から助成金が支給されているが、待遇が不十分な拠点があり任期も明示されてこなかったため、開教師の布教環境を充実させるため任期を4年と設定。また、海外には開教師だけでなく、現地僧侶、開教師二世、国内寺院から派遣されている一般僧侶もおり、国内から定期的に海外で布教を行っている僧侶や、国内で国際交流・国際協力に従事している僧侶なども含め、その経験を日蓮宗の国際活動に生かそうと、開教師と同じく4年任期の「国際布教師」を位置づけることが決まった。
その他、各所管の現況報告、明和会の関谷泰教会長、同心会の渡辺照敏会長による代表質問、通告質問などが3日間にわたり熱心に行われ、それぞれの案件が慎重に審議され可決・承認された。
閉会式で小松宗務総長は「節目の年、宗門として大勢の叡智を頂きながら運動を展開しているが、世に向かって伝えなければいけないこと、さらなる講策をしなければならない。身のある宗門運動、温かみのある行政に向かって、内局一同一丸となって取り組んでいく」と意気込みを語った。

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2009年3月10日号

山梨県早川町 雄瀧弁天堂が「日教教会」に

山梨県早川町の雄瀧弁天堂が「日教教会」として日蓮宗に所属することになり、辞令伝達式が2月17日、東京都大田区の日蓮宗宗務院で行われた。
霊場七面山の麓、羽衣登山口の集落を流れる春木川沿いにある日教教会。本堂裏手にある雄瀧には古くから多くの行者が修行に訪れていた。しかしあまりにも危険な瀧であったため行を成し得た者がなく、正中山法華経寺奥之院の住職をしていた東日教上人が昭和15年頃、誰もが安心して行のできる瀧にしたいと一念発起。難工事の末、昭和26年秋に開堂し、中山妙宗の法華経寺分院として信仰を集めてきた。
日蓮宗への所属は、平成11年から弁天堂を預かり境内整備を行ってきた伊藤法雲上人(愛知県妙進寺住職)の念願で、近年檀信徒の熱意も高まり時期が熟したとして昨年10月に所属を申請。その翌月、伊藤上人が遷化するという突然の悲しみに見舞われたが、この度長年の悲願が現実のものとなった。
17日、伊藤上人の子弟・伊藤智淳師(愛知県妙進寺内)が、望月本映山梨県第一部宗務所長、檀徒二人とともに宗務院を訪れ、小松浄慎宗務総長から日蓮宗所属の辞令を受け取った。伊藤上人の遺志を継いで日教教会を守っていく智淳師は「師僧に恥じないようがんばっていきたい」と決意を述べ、二人の檀徒も「行場の活性化にがんばりたい。お悩みのある方は特に、ぜひ一度参拝いただき、神聖な瀧修行を肌で感じてほしい」と語った。
雄瀧は、七面山の女人禁制を解いた徳川家康の側室お万の方の像が立つ女瀧(羽衣白糸の瀧)と一対の関係。現在は男女別の更衣室や行衣も備えられ、プロゴルファーの諸見里しのぶさんなどの著名人をはじめ全国から多くの信者が訪れている。

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第788回宗祖御降誕会 大本山誕生寺

日蓮聖人ご誕生の霊場として全国から参詣者が集まる、千葉県鴨川市大本山誕生寺(石川日貫首)で2月16日、第788回宗祖御降誕会が営まれた。この聖日を祝おうと、地元をはじめ全国各地から約800人の檀信徒らが参拝に訪れ、にぎわいをみせた。
午前11時、玄題旗を先頭に日蓮聖人のご幼像を乗せた御輿と共に、檀信徒らが宗門史跡両親閣妙蓮寺(上村貞雄住職)を出発。お題目を唱えながら誕生寺まで練り行列を行った。沿道の参詣者らに見送られた一行は、誕生寺祖師堂前で上村師を導師に法味言上を行い、ご幼像が遷座された。
午後1時からは、誕生寺祖師堂で第788回宗祖御降誕会が石川貫首を導師に営まれた。法要中、石川貫首が慶讃文を読み上げ、読経のなか焼香が行われた。また式中、大本願人・本願人の推挙式が行われ、大本願人に飯塚静子氏(東京都)、本願人に高野とめ子氏(山梨県)が推挙された。
その後、小松浄慎日蓮宗宗務総長名代として、田澤元泰現代宗教研究所所長が挨拶に立った。田澤師は参列した檀信徒に対し、宗祖の誕生会を途切れることなく毎年できる喜びと、このように盛大に宗祖の誕生を祝っているのは多数ある宗派のなかでも珍しいことを紹介。誕生をいのちになぞらえ、いのちの大切さを話すと同時に、「いのちに合掌」をスローガンとする「立正安国・お題目結縁運動」の推進を訴えた。
続いて石川貫首が参列者と来賓に謝辞を述べ、今年もまた大勢の人と宗祖の誕生を祝えたことを喜んだ。また「変な」世から「乱れた」世になってきた昨今の世相に触れ、そんな世の中をよみがえらすことが日蓮宗徒の務めとし、御降誕800年に向け、誕生寺が起点となって世の中をよみがえらせようと檀信徒に呼びかけた。
法要後は、千葉県南部和讃会による和讃奉唱と佐々木光道師(千葉県南部修法師会長)を導師に修法師10人が出仕しての特別祈祷会二座が行われた。

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新年のご挨拶。

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