日蓮宗新聞
2018年7月20日号
豪雨被害状況
西日本を中心にした7月5日からの全国的な豪雨で日蓮宗寺院教会結社の全壊・半壊などは確認されていないが一部損壊が出ているほか、檀信徒宅も含めて浸水被害が広がった。
岡山では岡山市妙浄寺・倉敷市呑海寺・吉備中央町妙本寺・和泉寺などで寺院境内や裏手山の土砂崩れ、岡山市の最上稲荷妙教寺本殿地下の冠水が確認され、また倉敷市壽遠寺に近隣の住民が避難している。広島では神石高原町東福寺や三次市妙栄寺、同妙眼寺、広島市本山國前寺で参道や境内に土砂が流入するなど被害が出た。海田町清正寺と東広島市妙養寺、福岡の北九州市大雄寺では土砂による建物被害が出ている。
僧侶檀信徒の人的被害の情報は、日蓮宗災害対策本部に現時点では入っていない。(7月10日現在)
2018年7月10日号
博多祇園山笠に日蓮聖人現る!
7月1日から始まった福岡県の博多祇園山笠で「蒙古襲来博多湾」をテーマにした飾り山笠が博多リバレイン前に登場した。襲来を予言された日蓮聖人を頂点に配し、武士が蒙古の侵入を防ぐ圧巻の姿を人形や飾りで表現されている。
制作指揮の福岡市宗玖寺檀徒で12番山笠の責任者・松尾公平総務は、「博多に関するテーマといえば蒙古襲来。渡邉正順住職(=同市日蓮聖人銅像護持教会主管)に日蓮聖人の人形を飾ることが失礼ではないかと相談したところ良いご返事をいただき、今日を迎えることができた」と出来栄えに満足な表情を浮かべた。公開は今月15日まで。
身延山久遠寺開闢会
744年前、日蓮聖人が身延山(山梨県)に入られたことを記念する開闢会が総本山身延山久遠寺で6月15〜17日に行われた。15・16日は、天童音楽大法要が内野日総法主猊下を大導師に営まれ、また17日の御入山行列前夜には、門前町でプロジェクションマッピングといわれる最新映像技術が用いられたイベントが開催されるなど賑わった。
ハイライトとなる約300人が参加した行列では、日蓮聖人を支えた檀越役として華やかな時代衣装に身を包んだ檀信徒や僧侶の散華、万灯講による練供養などが身延山を彩り、初夏の訪れを告げた。
内野法主猊下は行列後、「梅雨の時期にも関わらず、見事に晴れたこの日を迎えました。参拝の皆さまの日頃のお題目修行の賜物であり、大変意義あることです」と褒め称えられた。
最後には、御廟所域にある日蓮聖人が身延山で過ごされた「御草庵跡」で法要が営まれた。井上瑞雄総務が、日蓮聖人が身延山の様子を記した『身延山御書』を拝読すると、参列者は往時を偲び、内野法主猊下とともに報恩のお題目を唱えた。
福井から団体参拝で参加した僧侶の1人は、「身延山はバリアフリー化されているので、お年を召した参加者も気持ちよく参拝できた。最後には賑やかな入山行列も見ることができて、本当に良い団参になった」と語った。
■身延山は文永11年(1274)5月17日に日蓮聖人が入られたお山。晩年の9ヵ年を過ごされ、弟子檀越の教育を熱心に行われた。日蓮聖人は、身延山をお釈迦さまが法華経を説かれたインドの霊鷲山に例えられ、自らの墓所をこの地に建ててほしいと願うほど愛された。