日蓮宗新聞
2010年3月20日号
第101定期宗会開く 『国内開教師』の設置決まる
第101定期宗会が3月9日から12日まで、東京都大田区の日蓮宗宗務院で開催された。宗会は、全国の住職・担任の中から選出された宗会議員が、日蓮宗の宗制や予算など宗務に関することを決める機関。今宗会には45人の宗会議員全員が出席し、「立正安国・お題目結縁運動」の4年間第一期「播種活動」締めくくりとなる来年度に向けた議論がなされた。
開会式で酒井日慈管長猊下は、宗門運動第二期育成活動に係る大計を樹立することが肝要とされ、「宗会議員各聖には、新宗務総長の下、更なる聖恩報謝の浄業に尽瘁せられんことを願う次第であります。願わくは諸聖、宗門最高立法議決機関としての責務を全うし、為宗為法を力強く教導されんことを切に願い、教旨としたします」と述べられると、議長の川久保昌耕師(山口県妙法寺住職)が副議長の遠藤是秀師(静岡県大泉寺住職)とともに御前に進み、「宗祖の鴻恩に報ずべく慎重に審議を重ね、闔宗の信託に応えんと常精進いたしますことをお誓い申し上げます」と奉答文を読み上げた。
本会議では、はじめに渡邊照敏宗務総長が施政方針挨拶を行った。渡邊宗務総長はまず、実動4年目に入る宗門運動を具体的に強力に展開推進していくとし、ことに今年は第一期最後の年として重点項目を総括し第二期育成活動のあり方を検討するとした。
また、現代社会の問題に積極的に取り組む体制を整えたいとし、具体的には核兵器の廃絶を願い、今年5月に国連で開催される核拡散防止条約再検討会議に向けて国連事務総長に親書を届け、いかなる戦争にも反対する意志を示すと述べた。
伝道体制については運動本部と74管区2開教区で構成される各支部の連携を一層密にし、本部企画推進会議と宗務院伝道企画会議の運営方法を検討、伝道推進委員会をはじめとする伝道関係各委員会との密接な連携を図るなど更なる強化を行うとした。
さらに、過疎地域寺院の活性化、国内人口過密地域等における教線拡張のための恒常的事業の推進、「宗門財政検討懇談会」「布教助成特別会計検討懇談会」「宗門機構検討懇談会」の設置などを発表した。
今宗会で可決された議案の一つは国内開教師について。国内における社会変化に対応し、新たな開教の拠点を設けて布教活動を行うことを国内開教といい、その開教拠点は、人口過密地域等、宗務総長の定める地域とすること、任期は4年とし、布教経験のある僧侶のうちから宗務総長が任命するものと規定された。
その他、各所管の現況報告、同心会の小林順光会長、明和会の張田珠潮会長による代表質問、各議員からの通告質問などが行われた。提出議案につては慎重に審議がなされ、それぞれの案件が可決・承認された。
2010年3月1日号
第789回『日蓮大聖人御降誕会』
日蓮聖人ご降誕の聖地として信仰を集める千葉県鴨川市大本山誕生寺(石川日貫首)で2月16日、第789回「日蓮大聖人御降誕会」が営まれた。この聖日を祝おうと、地元をはじめ全国各地から約500人の檀信徒らが参拝に訪れ、にぎわいをみせた。
日蓮聖人のご両親の御霊廟がある妙蓮寺(上村貞雄住職)から誕生寺まで、日蓮聖人のご幼像を乗せた御輿が行列するのが恒例だが、今年は悪天候のため中止となった。
法要は午後1時から、誕生寺祖師堂で石川貫首を導師に営まれた。式中、石川貫首が慶讃文を読み上げ、読経のなか焼香が行われた。
その後、日蓮宗宗務総長名代・塩崎望巳教務部長に続き、石川貫首が挨拶。「日蓮聖人がお一人おひとりのお顔を見られ、“よく来られた”とおっしゃっていると思います」とたくさんの参詣を喜んだ。また「ご降誕会こそみんなが集まって、私たちの心に腐ったところはないか、間違ったところはないか反省するとき。いま一度お釈迦さま、日蓮大聖人の御教えを確認し合うのが今日のこの日なのです」と宗祖降誕会の意義を檀信徒に呼びかけた。
法要後は、千葉県南部和讃会による和讃奉詠と千葉県南部修法師会による特別祈祷会二座が行われた。