日蓮宗新聞
2013年5月20日号
佐渡日蓮聖人大銅像10周年
ご降誕800、佐渡ご法難750に向け決意新た
佐渡銅像護持会上行講(竹中智英代表)は新潟県佐渡市に立つ日蓮聖人大銅像の建立10周年法要を5月12日に営んだ。僧侶檀信徒や地元住民約200人が参列し、日蓮聖人の佐渡流罪での苦労を偲んだ。
10周年を記念し、台座側面と背面に日蓮聖人の重要な教え、三大秘法である本門の「本尊」「戒壇」「題目」とそれぞれ書かれたプレートの奉安や、「開目」と揮毫された正面プレートなどの修復が行われた。法要後には、同市大野青年会(安田健司会長)が厄払いなどの祈願のために行う佐渡の伝統文化「鬼太鼓」を披露した。
竹中代表は「この日があるのは大勢の檀信徒と仲間のおかげ」と述べ、参列者と共にご降誕800年と佐渡ご法難750年に向けて宗門と寺門興隆への誓いを新たにした。
2013年5月10日号
第761回立教開宗音楽大法要 大本山清澄寺
世界中が笑顔で暮らせる社会目指し努力精進を
第761回立教開宗音楽大法要が、千葉県鴨川市大本山清澄寺(住職=内野日総日蓮宗管長、二宮日敬別当)で4月27日に営まれ、参列した僧侶檀信徒約150人が日蓮聖人へ報恩感謝のお題目を捧げた。大導師を務められた内野管長猊下は挨拶で、東日本大震災の被災者がまだ苦しみのなかにいると述べられ、「一筋の真心で南無妙法蓮華経を唱えれば、それが私たちの新しい力となり、運命を明るく切り開くこととなります。法華の信奉者として世界中の人びとが笑顔で安楽に暮らせる社会を目指し、努力精進してまいりましょう」と日蓮宗徒の使命を述べられた。
また法要では県内寺庭婦人や檀徒有志約30人の和讃奉納が行われた。有志は山武市長徳寺寺庭婦人の竹中通子さんの呼びかけで集まり、音楽法要にふさわしい奉詠とうちわ太鼓の音を響かせた。竹中さんは「和讃は上手、下手ではなく、真心を供えることが大事。お題目を唱える気持ちと一緒です。息が合った和讃ができるのも、技術習得の練習ではなく、信仰心からの修練の賜物」と大役を務めあげ、胸をなでおろした。
日蓮宗では、日蓮聖人が同寺境内にある旭が森に立ち、のぼりくる太陽に向かってお題目を唱えられた建長5年(1253)4月28日を立教開宗の聖日としている。同寺では毎年、27日に法要を営み、翌28日早朝に旭が森で暁天法要を執り行っている。
2013年5月1日号
日什大正師生誕700年記念
日什門流の祖、日什大正師の生誕700年慶讃法要が4月11日に静岡県磐田市本山玄妙寺(渡邉日易貫首)、19日に福島県会津若松市本山妙國寺(伊藤日耀貫首)で営まれた。
磐田市本山玄妙寺
日什上人が天台宗で活躍した時の僧名を寺号とする玄妙寺では、慶讃法要と同時に、記念事業の日什上人揮毫ご本尊(准宗宝)修復奉奠と日什上人ご尊像(同)の修復開眼、また客殿庫裡落慶奉告式が営まれた。渡邊照敏宗務総長をはじめ僧侶檀信徒約180人が参列した法要では、渡邉貫首が奉告文で日什上人へ報恩の誠を捧げ、歴代先師の遺徳を讃えた。
完成した庫裡客殿は一階が客殿、二階が庫裡となっており、客殿には60人を収容できるホールが備えられている。渡邉貫首は「法話や研修をはじめとする檀信徒教化の道場、また展示会施設としても使っていただけるように設計した。近々、地域住民が趣味で作ったものを陳列する町の文化展も開催される。ご生誕の節目をきっかけにして、さらなる地域のためのお寺を目指していきたい」と語った。
筆頭総代の磯部克介さん(80)は「東海道の宿場として栄えたこの見附の地に日什上人が泊まられたおり、土地の人に請われて建てられたのがこの玄妙寺だと伝えられている。新しく建てられた客殿を利用してたくさんの人に由緒ある玄妙寺を知ってもらい、お題目を伝えるのが私たちの役割。生誕記念が檀信徒を力強く結びつけることにもなったことに感謝したい」と語った。
会津若松市本山妙國寺
日蓮宗の日什門流寺院などで構成される什師会(松本和道会長)主催の「開祖日什大正師御生誕七百年慶讃法要」は、各地から参集した僧侶約80人が出仕する法要となった。
法要に先立って、出仕僧全員で同寺境内にある日什上人霊廟を参詣。松本会長の読経が続くなか、香を手向け門流開祖の遺徳を偲んだ。
松本会長を導師に営まれた法要には妙國寺の檀信徒も多数参列し、出仕僧とともに読経・唱題を行った。また式中、元中2年(1385)に日什上人がしたためた什門教学の範となる『諷誦章』を同寺の伊藤日耀貫首が拝読した。
来賓として参列した渡邊照敏宗務総長は祝辞で、多くの人を正法に帰依させて伝道教化に生きた日什上人の生涯を振り返り「日蓮門下の歩むべき姿」とし、宗門が推進中の「立正安国・お題目結縁運動」との一致点についても言及。この慶讃法要を通して、仏国土顕現という祖願達成・敬いのこころで安穏な社会づくりへの意を新たにしたと述べた。
最後に謝辞に立った松本会長は「経巻相承」「直授日蓮」という日什上人の遺訓を体し、宗門興隆に努めていきたいと誓った。