日蓮宗新聞

2017年11月25日号

池上本門寺でお会式

池上本門寺①第736回忌お会式が日蓮聖人ご入滅の地・東京都大田区池上の大本山池上本門寺(菅野日彰貫首)で10月11日から13日まで行われ、約30万人が参拝した。ご入滅された13日の前日・12日のお逮夜には万灯練供養が行われ、全国から集まった約90講中が色とりどりの万灯のもと纏を振り、お囃子とうちわ太鼓を響かせて池上の町を練り歩き、日蓮聖人への報恩感謝を捧げた。

盛大に行われる万灯練供養は、例年より早く午後5時に始まった。6時過ぎに最初の万灯が仁王門をくぐると、練り行列が通る参道に何重にもなって見守る参拝者から大きな歓声が上がった。日蓮聖人降誕の地・安房小湊の鯛ノ浦の鯛をあしらった万灯や聖人像のねぶた型の万灯など個性的な万灯などが次々と練供養を奉納。行列に参加した講中の中には大堂(祖師堂)前に建てられた角塔婆をさすったり額をあてて祈りを捧げ日蓮聖人への畏敬の念を表す人もいた。
次々と通る万灯と威勢のいい纏を見た参拝者の1人は「毎年来て元気をいただいています。こういう行事はいいですね」と微笑んだ。近年、全国各地で「万灯練供養を始めよう」という動きがあり、見学に訪れる人もいた。九州から檀信徒青年会のメンバーを連れて来た団体は「本場の万灯行列をみんなで見ようと来ました。迫力と熱気に感動しました。自分たちの活動へのエネルギーをもらえました」と話した。
13日朝の「臨滅度時法要」前、参列者でいっぱいに埋め尽くされた大堂内で山口顕辰池上本門寺学監が御宝前で、世の中の安穏や幸せを求められて立ち上がられた日蓮聖人ご一代記の特別説教を行った。山口学監は、六老僧の1人・日朗上人が師匠・日蓮聖人を思うエピソードや、大堂に安置される日蓮聖人像が右手に持つ母・妙蓮尊儀の遺髪で作られたという払子にまつわるエピソードを披露。目の前で起きているかのような語りに、参列者は日蓮聖人の艱難辛苦のご生涯や母への孝養に思いを馳せた。
僧侶約70人が入堂し、しめやかに読経が行われた後の8時頃、六老僧・日昭上人の故事に倣い、導師を務めた菅野貫首が鐘を打ち鳴らして参列者とともにご生涯を偲び、異体同心で報恩感謝のお題目を捧げた。
12日の夜から13日朝まで行われる大堂での唱題行に参列し、法要に臨んだという参列者の1人は「こうやって見知らぬ檀信徒とお題目で心を1つにすることができ、感動でいっぱい。毎日お題目をたくさんあげていますが、お会式での唱題だけは、日蓮聖人だけに捧げるお題目です」と語った。

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2017年11月10日号

身延山で中央檀研道開く

中央檀研道①日蓮宗宗務院主催の中央檀信徒研修道場(野坂法行主任・塚本智秀講師)が10月30日から11月1日まで、山梨県身延山信徒研修道場で開催された。全国から集まった17人が日蓮聖人の御魂が棲まう聖地で、宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」推進のための信行推進者を目指すため、「合掌」の心を学んだ。
開講式で道場生は、日蓮聖人のご廟所を遥拝できる常唱殿でお題目を捧げた。講義では日蓮宗徒の信条を振り返り、日蓮聖人が求められた安穏な社会に向けて、僧侶だけではなく檀信徒とともに積極的に教えを伝えることが着実な実現方法だと再認識した。
ほか日蓮聖人のご生涯や合掌についての講義、唱題行、信仰の立ち居振る舞いを学ぶ勤行の実習、また道場生が語らう法座では参加の動機を紹介した。道場生からは、「身延山での修行という貴重な機会を失いたくない」「まず自分の信仰を磨かないと誰にも伝えられない」などの声が聞かれた。さらに「若い人を宗門運動に参加させるのが私たちの仕事」という声に、野坂主任は「若者は実はとても純粋で、しっかりとした生き方を求めている。私たちが若者や子どもの琴線にふれるような活動や姿を見せれば、必ずついてくる」と助言。塚本講師も、「まずは私たちが心通わせ精進することが大事」と結んだ。
翌日には、総本山身延山久遠寺(内野日総法主)で早朝の凛とした空気のなか勤行に参列した。旧書院では内野法主猊下が、公私の最優先での道場参加に謝意を表され、「世の中には気に入らないことばかりかと思います。だからこそ共に生き共に栄えるという法華経・お題目の教えが必要なのです。私は92歳ですが、一緒にお題目を中心とした社会づくりを頑張って参りましょう」とお言葉を述べられた。
各家庭でのお勤めや普段の生活も修行の場だが、身延山での2泊3日の道場は世間や雑念から完全に離れることで心を洗い、ひたむきにお題目や日蓮聖人の教えに向き合うことができる時間だ。北海道から初参加した女性は、「管区、教区とステップアップして念願だった聖地での修行に参加できた。内野法主猊下のお言葉に勇気付けられ、もっと勉強して次回の参加をより良いものにし、仲間を導いていきたい」と抱負を述べた。

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法華経寺に加行所開設

加行所①

僧侶が日蓮宗に伝わる秘法の祈祷=「修法」を授かるため、わずかな食事と睡眠で百日間、読誦行と水行を続ける修行場「加行所」(吉澤順将伝師)が11月1日に千葉県市川市の大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)に開設された。初めて加行所に入る(初行という)僧侶から、5回以上までの86人が覚悟を決めた表情で、社会と修行場を隔てる門「瑞門」をくぐり、厳しい修行に身を投じた。
少子化や加行所の規程改正などの影響で、例年に比べて少ない人数(昨年は約130人、うち初行約60人。今年度は初行25人)での修行に関して、5回目に臨む小泉海文師(神奈川県法眼寺住職)は、「少人数だとインフルエンザなどの感染症が流行し、全員の修行が執り行われなくなることが心配だが、加行所の過渡期だと良いように捉え、吉澤伝師の訓育のもと、修行僧の全ての力を出しきりたい」と抱負を述べた。また最年少の1人、初行の神田善輝師(新潟県感應寺内)は「檀信徒や多くの人がご祈祷を待っている。自坊の行事を絶やさないことが、まずお題目を弘める第1歩。力を合わせて頑張りたい」と力を込めた。
加行所② 瑞門への行列に先立ち営まれた入行会では、修行僧が例年と変わらない大音声の読経を祖師堂に響かせた。小林順光宗務総長が加行所に入ることができる丈夫な体をいただいた仏祖三宝や両親への感謝、加行所伝主を務める新井貫首が加行所内の厳格な決まりを守ることを強く求めた。吉澤伝師は「修行は楽ではない。だからこそ共に修行をしていきたい。檀信徒の皆さまもぜひ、お題目をお唱えください。必ず修行の力になる」と訓示・挨拶した。
午後1時半頃から修行僧が法華経寺周辺を練り歩いた後、瑞門をくぐると固く扉が閉じられた。次に瑞門が開くのは2月10日、修行が修了する日だ。加行所は「修法を授かる」ことが目的と定められるが、その修法の力は世間一般に分け与えられるもので、決して個人だけで完結する修行ではない。
※宗務院では、12月6日から始まる面会に感染症予防のために面会者のマスク着用を強く呼びかけている。

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新年のご挨拶。

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