日蓮宗新聞

2019年11月20日号

日蓮宗加行所始まる

加行所千葉県市川市大本山中山法華経寺に日蓮宗加行所(新井日湛貫首=伝主・吉澤順将伝師)が11月1日に開設され、入行会が営まれた。秘法である修法を相伝するため、僧侶120人が厳しい修行に自ら身を投じた。
入行会前、境内にはしばしの別れを決意する修行僧と無事を祈る寺族・檀信徒の姿があった。三回目の修行に臨む髙橋法靖師(栃木県妙光寺)は、数日前まで台風19号での河川の氾濫による地元被害の復旧に追われていたという。「入行中、犠牲となった方への供養もしたい」と話した。また再行僧を見送りに来たある総代は「厳しい修行の大変さを、今日、来られなかった檀信徒にもしっかりと伝えたい」と述べ、僧侶檀信徒それぞれの役割を胸に秘めていた。
入行会では修行僧全員での迫力ある読経、そして初となる伝師部と再行以上の僧侶約80人がご宝前修法を行うとともに、改定された「行堂清規」額が開眼された。
中川法政宗務総長は修行僧に向けて「覚悟なき祈りのなかに覚醒はない」と断言し、「お題目・法華経を唱えきり、自らが仏に近づき、人を仏の道へと導いて救うという強い覚悟の先に、生まれかわった自分がいる。みなさんの法華経の行者たらんとする信念が日蓮宗や全仏教徒、全世界を救うエネルギーとなる」と激励。吉澤伝師は「新しくなった行堂清規のもと、三宝給仕、読経三昧に精進し、自覚と誇りをもって成満となる来年2月10日を迎えることを」と訓辞を述べた。
入行会後、修行僧の行列が行われ、多くの檀信徒や家族が見守るなか、百日間、わずかな食事と睡眠で読経・水行三昧を行う厳しい修行の場との結界である「瑞門」をくぐっていった。

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2019年11月1日号

台風19号・広範囲で寺院檀信徒宅に被害

行光寺 妙金寺①10月12日に伊豆半島に上陸した台風19号の影響で日蓮宗寺院教会結社や檀信徒宅に被害が出た。栃木県宇都宮市の妙正寺・妙金寺・法華寺、栃木市の妙唱寺、及び檀信徒宅は近隣河川の氾濫で床上・床下浸水。山梨県富士川町妙善寺では、山門が倒壊した。また台風の影響で発生した竜巻により、千葉県市原市行光寺の本堂側面のガラス戸が割れ堂内仏具が散乱したほか、檀信徒宅も被害を受けた。台風が通過した管区全域で墓地への浸水、倒木、瓦や銅板屋根の破損などがあったが、本堂など礼拝施設の全半壊の情報は入っていない。(10月16日現在)

市原市行光寺の本堂は正面と左右が全面ガラス戸となっており、15号の暴風時にも破損した。修復を終えたばかりのところに19号の影響で発生した竜巻により、本堂側面となる北側のガラス戸が破られるとそのまま仏具を巻き上げ、通り道となる南側のガラス戸をも突き破った。19号通過前でさらなる被害を防ぐため、散乱した仏具を片付け、ガラス戸は開放したという。
寺庭婦人の出口直美さんは「外を見るといろいろなものが竜巻に吹き上げられていた。風の音が大きく、本堂に被害があったことにその時は気づかなかった。直したばかりのガラス戸が破られたため、対策として全面ガラス戸を壁に変更することも考えている」と語る。また当日の夜は檀信徒らが10人ほど同寺に避難したという。
15号で本堂屋根が吹き飛ばされる被害を受けた同市圓頓寺では、屋根にかけられたブルーシートが風で剥がされたが、倒壊するなどのさらなる大きな被害はなかった。取材に訪れた10月16日にはちょうど本堂復旧への総代会議が開かれているところだった。総代の1人の木口佳弘さんは「我々にとって歴史ある本堂を守るために頑張ってくれた住職、檀徒がいた。今回が被災後、初の会議なので力を合わせて復旧に取り組んでいきたい」と前を向いた。
日蓮宗では9月の台風15号と今回の19号の被災寺院の助力とするため、義援金勧募を開始している。12月24日まで受付。

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「岡山の日蓮法華」始まる

岡山の日蓮法華 岡山の日蓮法華②三備における法華系教団の歴史映す

岡山県立博物館で特別展「岡山の日蓮法華」が10月11日から始まった。ご真蹟の曼荼羅本尊2点とご遺文『神国王御書』『盂蘭盆御書』2点を含む日蓮宗や他法華系教団の寺宝計110点が公開される貴重な機会として注目され、多くの来館者で賑わっている。ご真蹟の曼荼羅本尊の1つで経一丸(後の日像上人)に授与された「玄旨伝法本尊」は、格護する京都大本山妙顯寺の蔵を出るのは初ではないかという。
初日には開会式が営まれ、挨拶に立った衆議院議員の逢沢一郎氏は、自身が岡山県妙林寺の檀徒で日蓮宗檀信徒の国会議員からなる法華一乗会で法華経を勉強していることを紹介し、「日本人と仏教、宗教と人間の関係に深く思いをいたす内容。たいへんうれしく思っている」と述べた。また中尾堯立正大学名誉教授は、「東国で撒かれた法華文化の種が京都の町で花を咲かせ、三備地区の土壌の上に木の実を落として、新たなる芽吹を果たした。この地方の文化は海の道を通して、朝鮮半島・中国大陸・東南アジアへの道も開かれていたはず。法華の信仰の営みに思いをいたしてほしい」と語った。
今展開催について同館統括学芸員の中田利枝子さんは、「県立という公平な立場だからこそ、宗派を超えた法華の寺宝を一堂に会することができた。そのなかでの展示は、教団の勢力を伸ばすために岡山と京都が緊密にやり取りしたことで、同時に文化も伝えられてきたことや、教団が三備地区の拠点を押さえ、どのように展開したかもわかるようになっている。郷土としての岡山、また地方としての岡山を知ることができる」と自信を見せた。11月10日(日)まで開催。【展示内容】日蓮聖人ご真蹟『神国王御書』『盂蘭盆御書』(共に重文)・「曼荼羅本尊」『蜀錦の本尊』『玄旨伝法本尊』、『日像伝授状 妙実上人宛』『花鳥図屏風』『釈迦如来坐像』など重文13点。全110点。

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新年のご挨拶。

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