日蓮宗新聞

2005年6月20日号

日蓮宗ビハーラネットワーク総会

日蓮宗ビハーラ・ネットワーク(NVN・柴田寛彦代表)では平成17年度総会を6月10日、東京大田区の日蓮宗宗務院で開催、会員27人が出席した。
記念講演は、新潟県・長岡西病院でボランティア・ビハーラ僧として活動をする浄土真宗本願寺派の木曽隆師(新潟県長岡市長永寺住職)が活動の内容を中心に「いのちを見つめて―私のビハーラ活動」と題して行った。
まず総会では、古河良晧師(NVN副代表)を議長に選出。平成16年度活動・決算の報告、平成17年度活動計画案・予算案が今田忠彰師(NVN世話人)、近澤雅昭師(NVN事務局長)から報告され、それぞれ了承された。
ビハーラ活動の推進のためHP、出版活動にも力を入れていく。また見舞い用のタオルやカード型お守りのビハーラグッズも好評を得ている。なおタオルは新潟中越地震被災地に寄付された。
規約が一部改正され、新たに設けられた顧問職に蟹江一肇師(名古屋市道心寺院首)が就任。また、日蓮宗宗務院主催の平成十六年度「ビハーラ活動講習会上級編」で講師を務めた藤塚義誠師(長野県赤穂町大法寺住職)が世話人として新たに加わった。
記念講演は長岡西病院でボランティアビハーラ僧として活躍する木曽師。長岡西病院のビハーラ病棟は仏教を拠り所としたターミナルケア施設の先がけで、1992年に開設された。
今日、長岡西病院の代名詞になっているビハーラ病棟だが、当時はキリスト教の精神に則って運営される「ホスピス」が「ビハーラ」よりも知名度が高く、ホスピスに仏教をつなげ「仏教ホスピス」と名付けないと一般に認識されなかった。
木曽師は、当時をふり返り「坊さんのいる病院は縁起が悪い」と敬遠され「長岡西(にし)病院は、死に(しに)病院」と揶揄されていたエピソードを披露した。

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2005年6月10日号

日蓮宗全国檀信徒協議会総会を開く

東京大田区池上の宗務院で5月24日、平成17年度第52回日蓮宗全国檀信徒協議会(江守幹男会長)総会が開催され62管区63人の代表が参加した。宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」が提示された今、檀信徒がどのように参画・協力していくがが話し合われた。
はじめに日蓮宗総務局長の中條令紹師導師のもと法味を言上。中條局長は「僧侶と檀信徒は車の両輪です。時にはアクセルとなり、時にはブレー

キとなってお互い協力しあいましょう」と挨拶。続いて江守会長が「“立正安国・お題目結縁”の新たな宗門運動に対し、檀信徒あげて協力し、また次世代へ日蓮宗を伝えていくためにも一寺院一信徒青年会の結成を」と呼びかけた。
総会は江守会長を議長に進められ、はじめに田端義宏伝道部長が挨拶。田端部長は伝道部の所管説明をするとともに「僧侶による布教も大切だが、檀信徒による未信徒教化も必要です。ともに布教活動を行っていきましょう」と檀信協へ期待を寄せた。議事では①平成16年度事業及び会務報告②平成16年度会計・監査報告③役員改選④平成17年度事業計画案⑤平成17年度予算案について話し合われた。
はじめに田本憲吾副会長が①について、昨年度教区檀信徒協議会を開催した山静・北陸・近畿の三教区に対して助成を行ったことを報告。また檀信協発行の『檀信徒のこころえ』は4万冊以上を頒布していると話した。②の会計監査の承認後、③役員改選で各教区から常任委員を選出。常任委員会において高村彦邦氏(愛知名古屋)が常任委員長に、三田村久弥氏(岩手)と殿元正平氏(大阪和泉)が会計にそれぞれ互選され就任し、総会において、会長に江守氏(福井北部)、副会長に田本氏(北海道東部)、斎藤文夫氏(神奈川一部)、監事に吉田卓治氏(埼玉)、古川秀次氏(佐賀)が選出された。
続いて高村委員長が平成17年度の事業報告案を発表。⑤では三田村氏が予算案を報告し、「教区檀信徒協議会開催助成金の予算をとっているが、昨年度の開催は3教区。今年こそ11教区すべてに助成できるよう、開催に向けて頑張って欲しい」と話した。
その後の質疑応答で、昨年度教区檀信徒協議会を行った教区の内容を説明。田端部長は「総会の報告をするのではなく、宗門運動の準備期間である今、皆さんが教区長、所長と協力し、各教区での運動展開の仕方、檀信徒の進む道を考えて欲しい」と述べた。また7月2日に宗務院で開催される全国檀信徒青年会管区代表者会議について、江守会長が「若い人たちが魅力ある活動をしていくためにも各管区の檀信協会長が声をかけることが大切」と会議への参加を呼びかけ、若い世代へ信仰を継承するために檀信協が努めていくべきとした。

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全日青北海道結集札幌大会 全国から213人参集

全国日蓮宗青年会(三浦海慧会長)が第43回全国日蓮宗青年僧北海道結集札幌大会を5月23、24日、札幌市内で開催し、全国から213人の青年僧が参集した。毎年恒例の唱題行脚は、天候には恵まれなかったが、雨に負けない青年僧らしい力強いお題目が北の大地に響いた。今回のテーマは「開拓地から心の開拓地へ」。人心の荒廃が叫ばれる現代、先師たちが北海道の荒野を耕したように、人々の心を耕したいという趣旨のもと集結した。

23日午後1時、札幌市内のホテルでの開会式後、唱題行脚が行われた。空一面に雲が垂れこめ、雨が降りしきる中、青年僧はうちわ太鼓をビニールで包み、レインコートを着てホテル前を出発。2組に分かれ、1組は札幌駅前から大通公園を、もう1組は石川通りを唱題行脚し、すすきので合流した。200人以上の唱題の声と太鼓の音は迫力満点。お題目の種をまきながら、経王寺までの約4キロを80分かけて歩いた。行脚隊と共に、伝道車が拡声器で日蓮宗の教えを説きながらゆっくりと走行。道行く人には教箋が配られた。唱題の声が届くと、会社の玄関先に出て来て手を合わせる人の姿も見られた。
24日は伊藤佳通師(静岡県感應寺副住職・BAC仏教救援センター理事長)を講師に迎え「花の種はこころの種」と題した講演が行われた(別項に要旨)。
伊藤師はラオスに111校の学校を建設するなど、25年間に渡りアジア各国で国際協力活動に取り組んできた経験から、途上国の現状や僧侶が今成すべきことなどを説いた。
その後行われた総会では、平成16年度の活動報告や財務決算報告などがなされ、次回の結集は身延山久遠寺で檀信徒と共に行われることが確認された。

講演要旨

僧侶一人ひとりが得意分野で社会のため仕事を推進してほしい
布教活動 国際協力について説く 伊藤佳通師講演

25年前、ポルポト政権が崩壊したばかりのカンボジアの子供たちに鉛筆やノートを援助しようとしたとき、校長先生に「花の種をください」と言われました。目の前で親や友達を殺されるという凄惨を極める体験で、心に深い傷を負った子供たち。笑顔を失った彼らに必要なのは、物質よりも心の豊かさでした。
発展途上国は今、先進国の考え方に異を立てています。例えば、アフリカ大陸では食糧不足が深刻ですが、実はアフリカで収穫される穀物は、アフリカ全土の需要に充分に対応できます。しかし先進国が家畜の餌にするため、高値をつけて買い漁っています。このため家の前で収穫された穀物を食べることができない人が沢山いるのです。
今、世界では食糧が足りないのではなく、その四分の三を世界人口の四分の一の先進国の人々が奪い、残った四分の一の食糧を四分の三の途上国の人々が分け合って食べている、それが現状です。私たちにとって当たり前の生活が多くの人たちを苦しめているのです。それを知った上で生活して下さい。
今必要なのは、途上国が先進国に近づくグローバリゼーション(地球一体化)ではなく、先進国が足るを知ることによって途上国に近づき、貧富の差を埋めるようなグローバリゼーションだと思います。
◇   ◇
「お題目の救い」「妙法経力の救い」それはもちろんあります。しかし水も食べ物もない人や、病気の子を抱えた母親にお題目を唱えても、感謝されません。その人たちは水が、食べ物が、薬が欲しいのです。
東南アジアを中心として広まっている上座部仏教は戒律が厳しく、他人の為に何かをすることはできません。その地でイスラム教やキリスト教は様々な手段で布教活動を展開しています。東南アジア最大の仏教国であるタイでは今、イスラム教徒が急増し、仏教勢力は衰退の一途を辿っています。だからこそ、日本の大乗仏教がイスラム教やキリスト教に対抗できる活動をしなければなりません。布教のための戦争を起こしたことのない仏教こそ、世界の平和を語ることができるのです。まずは、仏教の素晴らしさを伝えることから始めなければなりません。
◇   ◇
布教活動には様々な形や方法があり、その中の一つに国際協力部門があります。価値観が多様化している今、僧侶一人ひとりが、一番得意な部分で社会に対しての仕事を推し進めてほしいのです。そして、その頂点を集めたところが日蓮宗となれば、宗門はもっとすばらしいものになっていくと思います。
私は今後も国際協力を続け、今度は地元の人々のためになる井戸掘りの活動をしていきたいと思います。

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新年のご挨拶。

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