日蓮宗新聞
2021年1月20日号
コロナ後見据え、令和の菩薩道を
◆御用始め縮小され開く
日蓮聖人降誕800年を迎える令和3年の御用始めが1月8日、東京都大田区日蓮宗宗務院で執り行われ、
菅野日彰管長猊げ い下か (同区大本山池上本門寺貫首)を導師に日蓮聖人へ法味を言上した。今年は新型コロナウ
イルス感染症拡大防止のため、賀詞交歓会が中止されたほか、同日に1都3県への緊急事態宣言が発出されたことにより宗務内局や職員を中心とした式となった。菅野猊下のご回向では世界の安あん穏のんを祈られるとともに、宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」の達成と日蓮聖人降誕800年の諸事業の円成を誓われた。
ご挨拶に立たれた菅野猊下は「令和2年は新型コロナウイルスという病魔との戦いの1年となってしまいました。今年も予断を許さない状況だと思います。ただその中にあってオンライン形式という新しい道も開かれようとしています。私たちはコロナに負けることなく、コロナ後の新しい時代に即応した布教・伝道教化を考えていくべき時です。それはまさしく令和の時代の菩薩道であるべきであります。私たち宗門人1人ひとりが地涌の菩薩としての決意をもって臨むべきです」と教旨を述べられた。
続いて中川法政宗務総長は、「ご正当にあたる年の国難の時こそ、日蓮聖人にその意味を考えることを与えられ、僧侶檀信徒一体となって世界のために克服していくことが日蓮聖人のみ心に適うことであり、800年が成就することとなります。自らがお題目の法灯になるという覚悟のもと、信に1遍のお題目を心に込めて10分、20分、1時間と毎日唱えきることが、コロナに蝕まれた人びとの心の病を治し、立正安国の顕現に貢献することになるのです」と唱題行を呼びかけた。
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1月8日に大田区宗務院で行われた御用始めで総本山身延山久遠寺を代表して副総務の浜島典彦師が挨拶に立った。浜島副総務は、持田日勇総務の挨拶を代読し、コロナ禍において輪番奉仕をしたすべての寺院に対して内野日総法主猊下が委嘱の儀をされ、信徒を励まされたことを報告。また久遠寺として9月27~29日に全国修法師会連合会や全国声明師会連合会、山静教区などによる慶讃法要や西洋音楽を取り入れた慶讃法要などを営むことや28~30日に山梨と静岡でオペラ『日蓮の宇宙・曼荼羅世界』を上演することなどを発表した。30日には宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」の結願法要も営まれる。
