日蓮宗新聞
2020年1月20日号
祖願・立正安国の具現化を
東京都大田区の日蓮宗宗務院で御用始めが、令和初の正月を迎えた10日に行われた。はじめに菅野日彰管長猊下を大導師に仏祖三宝への法味言上が営まれ、参列した中川法政宗務総長以下内局や全国からの宗会議員や宗務所長、僧侶檀信徒ら約300人が、令和3年2月16日に迎える宗門の一大慶事「日蓮聖人降誕八百年」に向けての諸事業と宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」の円成を誓った。
続いて菅野猊下がご挨拶に立たれ、日蓮聖人降誕八百年に向け一昨年から始まった教区大会の成果を賞され、「今年4教区で開かれる同大会を仏縁とし、僧侶が先頭に立って祖願の立正安国の具現化を図り、宗教離れが進む世に正法の柱の建立の役割を果たしていくことを念じています」と述べられた。
賀詞交歓会では中川法政宗務総長が日蓮聖人降誕八百年の正当と宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」の結実を間近に控え、令和2年が宗門にとって大事な年となることを示し、「僧侶檀信徒がともに800年の重みと奇跡を双肩に感じて、声高らかにお題目を唱えて、前に進みましょう」と鼓舞した。
恒例の鏡開きはキャラクターのこぞうくんらの発する「ヨイショ!」の掛け声に促され、中川総長や池上幸保全国日蓮宗檀信徒協議会長など5人が威勢よく行った。参加者は令和2年の門出を祝し、立正安国への邁進を改めて誓った。

2020年1月10日号
「全国五十七箇本山めぐり」満了証授与式
日蓮宗全国本山会企画の「全国五十七箇本山めぐり」満願者を称える満了証授与式が12月2日、山梨県総本山身延山久遠寺で行われた。今回で第3回となった式には満願の連絡があった27人が出席し、内野日総法主猊下(=同会総裁)の前で堂々と井上日修会長から満了証が授与された。
同本山めぐりは、専用の用紙に染筆された各本山貫首のご首題を携行し、参拝時にご朱印をいただくもの。全本山でご朱印が押されると満願証が授与されるほか、出席者が定数以上になれば身延山久遠寺で満了証授与式が営まれる。
内野猊下は「皆さまのお題目修行の姿に、日蓮聖人はご嘉賞されているはずです。これからも人生を有意義にするため、世のため人のためにご尽力ください」と出席者の信仰を称えられた。また井上会長は、「北は東北、南は九州まである57本山へのご参拝。何日かかりましたか?」と労いの言葉を掛けるとともに、「強盛な信仰がなければこの浄行を決して達成できるものではありません。このような信仰ある人たちがいることを改めて知り、日蓮宗の未来は明るく輝いていると思い至りました」と語った。さらには同本山めぐり製作・頒布元の日蓮宗新聞社・舘岡壽宣社長は「皆さまの功徳をぜひ他の檀信徒にお伝えいただき、日蓮宗に〝全国五十七本山めぐり〟ありと社会から認知されるような修行となることを願います」と挨拶した。
出席した三浦さんはインターネットで本山めぐりがあることを知り、日蓮宗の信仰に熱心だった母の菩提を弔うために、夫とともに平成30年7月に始めたという。「さまざまな場所でご縁を感じることが多く、いろんな人とつながって守られているんだなと思った。生前の母とほとんどお寺を回る機会がなかったので申し訳なく思っていたが、今となってだが一緒に回ることができたかなと思う」とほっとした表情をみせた。
また2回目の満了証授与式となった久保井さんは、「1回目は妻の当病平癒のため。2回目は快復した妻のお礼参り。そして今、3回目を精進としてまわっている。僧侶が世界の平和のために活躍するなか、在家の者としても法華経で救われる道があることを伝えていきたい」と抱負を述べた。
