日蓮宗新聞
2025年12月1日号
57本山満了証授与式
日蓮宗全国本山会が企画監修の「日蓮宗全国五十七箇本山御朱印めぐり」の満願者を表彰する満了証授与式が11月10日、山梨県総本山身延山久遠寺で行われた。2年ぶりに開かれた式に1~5回目の満願者47人が参加し、井上日修会長から1人ずつ満了証が授与された。複数回の満願者には参加者からどよめきが起こり、ひときわ大きな拍手が送られた。
平成26年末から始まった同企画は29年に第1回の授与式が営まれ、コロナ禍を経て今回で6回目。請負先の日蓮宗新聞社への満願の報告は複数回の満願者をあわせて延べ228人にのぼる。井上会長は「5回巡拝された人を含めてご尊顔を拝しますと老若男女いらっしゃいますが、本当にそれぞれが仏さまに見えてきます。この浄行を次世代につなげ、この会場に人があふれるほどこの輪をもっと広げていただきたいと思います」と満願者を褒め称えた。記念撮影には持田日勇法主猊下も加わり、和やかななかで式が修了した。
5回満願した辻吉隆さん(75)は、1回目の巡拝は不安だらけだったというが、満願後「巡拝ロス」に陥り、2回目を決意した。再度の巡拝は「さらにたくさんの人に会え充実した」という。3回目の途中で病気になったが満願を果たし、さらに4、5回と続けた。辻さんにとって巡拝は自問自答への道中だといい、答えが必ず見つかって戻ってくるという。「みんな自分がかわいい。でも巡拝すると自分がどうあるべきか他人へはどうあるべきかを見つけることにつながります」と五十七箇本山御朱印めぐりを勧めた。

ハワイで田中総長導師に終戦80年法要
日蓮宗とハワイ日蓮宗別院主催・全日本仏教会(以下=全日仏)協賛・日蓮聖人門下連合会(以下=日門連)協力の終戦80年ハワイ慰霊法要が11月14日、米国ホノルルのハワイ日蓮宗別院で営まれた。田中恵紳宗務総長が導師を務めた法要には、全日仏の日谷照應理事長、日門連の田中壮谷国柱会賽主や本門法華宗・法華宗(本門流)の各僧侶、中山泰秀元法華一乗会員、在ホノルル日本国総領事館の長徳英晶総領事、ハワイ仏教連盟各宗派寺院僧侶、別院メンバーや日本からの参加者合わせて約70人が参列し、太平洋戦争で尊い命を失った日米の兵士や戦没者の冥福を祈り、不戦の誓いを新たにした。
同院には1941年の真珠湾攻撃で命を失った日本兵の英霊簿(『真珠湾英霊』)が納められている。また真珠湾攻撃から75年の節目に、別院元主任の平井智親師の尽力で犠牲となったアメリカ人兵士2390人の英霊簿も奉安されており、同院では日米含むすべての戦没者を弔ってきた。この関係でしばしば同院に参拝に訪れていた元防衛副大臣の中山氏と日蓮宗が協議を重ね、今回の法要が開催された。
法要には池永英清別院主任と日本から濱田壽教声明師会連合会長を始めとする会員5人が出仕。濱田会長が声明「対揚」の導師を務め、供養の誠を捧げた。参列者全員が焼香し、お題目で追悼した後、田中総長が回向文でとくに真珠湾攻撃での戦死者・犠牲者を悼み、さらに英霊簿の65人の名前を読み上げ、懇ろに供養した。
世界仏教徒連盟のパロップ・タイアリー会長が寄せた平和へのメッセージをハワイ仏教連盟の海谷聡之会長が「平和は受動的なものではなく、慈愛で応え、智慧で語り、慈悲で行動するという積極的な意識的選択で叶う」と代読した。挨拶では日谷理事長が「日本人、アメリカ人、等しく尊く、愛され、悼まれるべきです。今日の平和を決して当たり前とせず、慈悲と和解と調和を育みましょう」と呼びかけた。
最後に田中総長が、〝恒久の平和のために私たちはどう生きるか〟と問いかけた後、「国や社会、さまざまな思想や信念の違いを超え、互いを思いやり、赦しあう生き方を実践しなけばなりません」と訴えた。
また追悼式がアリゾナ記念館で営まれた。パールハーバー国立記念公園のトム・レザーマン管理監督者の案内で船に乗り、同館を訪れた一行は、旧日本海軍が84年前に真珠湾に沈めた戦艦アリゾナ号の真上で自我偈とお題目を唱えた後、1人ひとりが海に眠る日米兵士の諸霊のために一輪の白い花を海に流した。
別院のキース・ナガイ理事長は「真珠湾をネガティブな場所と思うのではなく平和が花開き、世界の人びとと理解し合う機会を持つ入り口なのだと想像してください」と話した。また参列したホノルル生まれで日系2世のアリス・ワタナベさん(87)は戦時中、神棚などをすべて隠したことや開戦と同時に仲が良かった白人と友だちではなくなった思い出があるといい、「戦争は嫌いだ」と何度も繰り返した。




















