日蓮宗新聞

2005年6月1日号

富士宮市 本山小泉久遠寺 法灯継承晋山式

静岡県富士宮市の本山小泉久遠寺で、4月24日、第65世吉田日綱貫首の法灯継承晋山式が営まれ、桜花爛漫の青空の下、僧侶檀信徒約600人が参列した。
午前11時半から晋山行列が行われ、稚児70人と共に式衆・檀信徒が撃鼓唱題しながら、久遠寺の黒門から本堂までを練り歩いた。
午後1時から富士駿河雅楽会による越天楽の調べに乗せて晋山法要が始まり、はじめに静岡県中部宗務所の武田真良所長から辞令伝達がなされた。続いて旭日重前貫首から吉田新貫首に法灯継承の証として法華経一部と久遠寺過去帳の相承が行われ、吉田新貫首発声のもと玄題三唱した。
式中、行列に参加した稚児による献香、献花、献灯が行われ、天童祭文が声高らかに読み上げられた。
吉田新貫首は奉告文の中で、久遠寺開山の宰相阿闍梨日郷上人から連綿と伝わる由来、宗門随一の大太鼓を納める太鼓堂の建立と参道整備を行った63世日隆上人の功績、64世日重上人の伝道布教等の偉業を称え、さらなる寺門興隆、宗風宣揚に精進していくことを誓った。
法要の後、武田所長、本間日諄大本山北山本門寺貫首、永倉日侃本山鎌倉本覺寺貫首、地元管区の遠藤是秀宗会議員が祝辞を述べた。
最後に吉田新貫首が、「法縁各聖ならびに総代各位の御推挙を受け、 63世日隆上人の育てた桜並木のもと、64世日重上人に導かれて65世の法統を継承するという不思議な仏縁を感じております。浅学非才の身ではありますが、給仕第一を心に刻み、この重責を全うしていく覚悟です。なにとぞご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い致します」と決意を延べ、法灯継承晋山式を終了した。(静岡中部・山田通信員)

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静岡市 本山海長寺 法燈継承晋山式

静岡県静岡市の本山海長寺で5月17日、第69世小倉日浄貫首の退穏と第70世菅野日彰貫首の入山に伴う法燈継承晋山式が営まれ、新緑まばゆい五月晴れの中、僧侶・檀信徒約600人が参列した。
式に先立ち、菅野新貫首が30年にわたって寮監を務めた宗立谷中学寮の卒寮生と、身延山僧道実習生ら総勢180人が報恩の唱題行脚を行った。
近隣の龍華寺(小倉弘運住職)から出発した行脚隊は、沿道に詰め掛けた多くの人々の前でお題目の声を響かせ、海長寺に到着すると菅野新貫首が住職を務めていた浄延院(東京都台東区谷中)の檀信徒らから拍手が贈られた。
正午、富士駿河雅楽会による厳かな楽の音に乗せて開式。小倉前貫首は退穏奉告文の中で、戦争で灰燼に帰した諸堂を復興堅持してきた歴代貫首の努力を称え、13年間の貫首在職中に檀信徒の協力により山門と塀を新築できたことを奉告。今般、引退を決意し、これからは布教と青年僧育成に実績のある菅野新貫首へ期待したいと述べた。
続く法燈継承の儀では、海長寺に伝来する日蓮聖人ご真筆曼荼羅本尊と霊宝目録が小倉前貫首から菅野新貫首へ直接手渡され、歴代相承譜への署名が行われた。
 祝辞では岩間湛正日蓮宗宗務総長が「菅野新貫首は、私共が親しみと敬愛の念を持って菅野先生とお呼びしているように、30年間にわたり宗立学寮の寮監として宗門師弟の訓育教化に務められた行学兼備の方です。これからも海長寺をお題目の道場として、法器の育成に徳風を示されることと確信します」と述べ、酒井日慈大本山池上本門寺貫首、井上瑞雄身延山久遠寺総務も続いて祝意を表した。
最後に菅野新貫首が挨拶に立ち、「このたびは池上本門寺参与・法類会、海長寺総代・世話人のご推挙を賜り、第70世の法燈を継承させていただくことになりました。本日の異体同心の唱題行脚は、きっと多くの人々にお題目の縁をもたらしたことと思います。ありがとうございました。私は常々、お経と布教と掃除が僧侶の基本と言っておりますが、その心をこれからもこのお山で守って参りたいと思います」と決意を述べ、法燈継承晋山式を終了した。

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子どもの声に耳を傾けよう

民生・児童委員として地域社会で活動する日蓮宗僧侶で結成される日蓮宗民生児童委員会(石井隆康会長)は、平成17年度の総会と研修会を4月13日に東京大田区の日蓮宗宗務院で行い、約30人が参加した。
児童虐待や孤独死が増える一方で、地域の世話役としての民生・児童委員の担い手は全国的に不足している。
日蓮宗には現在、行政からの要請を受けた約250人の僧侶が民生・児童委員の仕事に従事しているが、同会では「僧侶はもっと民生・児童委員を引き受けよう」と呼びかけている。
今回の研修会は、子どものための相談電話を手掛ける「めぐろチャイルドライン」代表で早稲田大学文学部教授の喜多明人氏が「子どもを支えるまちづくり」と題して講演を行った。

自分を出せない子どもたち
「めぐろチャイルドライン」は匿名の子ども専用電話相談で、相談者を大人と同世代の両方から選べることに特徴がある。
喜多氏は、チャイルドラインを通じて見えてくるものとして「自分を出せない」子どもたちが多いことを指摘。日常会話をする身近な相手が極端に少なく、本来なら親などが聞いてあげるべき、他愛のない内容を電話相談で話してくる子どもも少なくないという。
それは大人の余裕のなさの現れであり、子どもはあらゆるシーンで信頼出来る大人の姿を探しているものだから、もっと子どもの声に耳を傾けてほしいと喜多氏は強調した。
続いて、「めぐろチャイルドライン」の女性スタッフ数人が活動を報告し、スタッフの一人が「市民活動の継続には地域の理解と協力が不可欠。現在、都内では三つの寺院でチャイルドラインを行っているが、活動拠点のないグループのために、もっと多くの寺院に協力してほしい」と訴えた。
参加した会員らは、今後の活動に活用すべく熱心に聴講していた。

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新年のご挨拶。

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