2024年3月1日号
加行所54人が成満迎える
千葉県市川市大本山中山法華経寺に開設されていた修法を相承するための修行場・日蓮宗加行所が2月10日に成満を迎えた。6回以上の修行を積む参籠の僧侶から初めての僧侶までの54人全員が、11月1日から行っていた寒壱百日の読経水行三昧を果たし終えた。
午前6時頃、結界修行場との境目を示す「瑞門」が100日ぶりに開き、新井日湛貫首や訓育を担う松宏泉伝師をはじめ、修行僧が姿を現した。迎えた檀信徒は入行していた住職らを見つけると、「よく頑張ってくれました」といたわりの言葉を口々にかけた。
成満会では修法師としてより成長した僧侶やこれから修法師として新たな一歩を踏み出す僧侶が、人びとの安穏のために『法華経』・お題目の広宣流布を誓う大音声の読経を響かせた。挨拶に立った田中恵紳宗務総長は同寺での加行所が50年の節目を迎えたことにふれ、「先師によって繋がれてきた歴史の重みを一身に受け止め成満を果たした顔をしています」と称え、「立正安国・四海帰妙達成のため、自分をさしおいて布教伝道に邁進を」と要請した。新井貫首は「若い力をもって頑張ってほしい」と激励。松伝師は「加行中、発生した能登半島地震の犠牲者への供養や早期復興をみんなでお祈りさせていただきました。世界各地の自然災害だけではなく、戦争で尊い命が失われています。悲しみの現状をまのあたりにし、加行僧全員が立正安国の大願を果たすことを改めて目指すために行をしました。今日からが本当の修行として精進してほしい」と期待した。最後に全堂代表の廣橋是晃師も能登半島地震に言及し、「つねに人びとの苦しみに寄り添うことを大切にしていきます」と誓った。
五行で入行していた石川県羽咋市善住寺住職の山川知則師は加行所で地震を感じ、聞きづての情報から地元能登での地震であることを知った。「ただ回向と祈願をすることしかできませんでした。地元の僧侶が夜を徹して支援に頑張っていることを聞くと、とにかく自分もできることをしていかなければならないと思っています」と沈痛な面持ちで話した。また迎えに来た同寺総代の長浦邦男さん(82)は、情報不足での不安や地元に駆けつけられなかった山川師を案じ、「大変、苦しかったと思います」とだけ話し、言葉をつまらせた。加行所では松伝師とともに地震発生時から回向と祈願を続けてきた。2月8日には新調された位牌と祈願札が安置された。




















