2009年6月1日号
身延山五重塔 復興大願成就
盛大な落成慶讃大法要

山梨県身延町にある総本山身延山久遠寺(内野日総法主)では130余年ぶりに復元建立が進められてきた五重塔が昨年10月末に完成し、この5月13日から17日までの5日間にわたって盛大な落成慶讃大法要が営まれた。
久遠寺の五重塔は江戸時代初期の元和5年(1619)と幕末の万延元年(1860)の二度建立されているがともに焼失。五重塔の復元は長年の悲願であった。
91世法主妙道院日光上人によって復元建立が発願されたのは平成16年。同年、身延山五重塔建立奉賛会が立ち上がり、会長に信徒総代・堀内光雄氏(衆議院議員)、実行委員会委員長に井上瑞雄久遠寺総務が就任。最初に建立された元和の塔を、材料・工法・意匠にわたって当時の姿を再現しようという復元事業が、宮大工の伝統的工法と平成の建築技術の粋を結集して進められてきた。
平成18年3月に地鎮式、翌19年7月に五重塔の中心に据える心柱の奉曳式、さらに20年3月に上棟式、同年11月に竣工式、今年2月に仏舎利遷座並びに入仏開眼式を営み、このたびの落成法要に至った。
復元された五重塔は、高さ39メートル。塔の中心となる心柱の原木の一部は、身延山の千本杉から切り出されたもの。元和・万延二代の五重塔を見守ってきた、最大径86センチ、長さ17メートルの樹齢500年の巨木2本が製材され、内野法主猊下がお題目を染筆した。そのほかの木材もヒノキを主に国産材を使用、ほとんどの部材が樹芯を含まない「芯去材」であるため、長年経ってもひずみが少ないという。
また、五重塔再建に合わせて付帯工事も行われた。西谷にある駐車場から本堂脇までを結ぶ斜行エレベーター2機を設置、また年配者や車いす利用者など誰もが参拝できるよう境内に参道が敷設され、本堂からロープウェイ乗り場までの平坦な遊歩道も完成した。
全山が焼失した明治8年の大火以来、久遠寺では全山一丸となって境内復興に尽くしてきたが、このたびの五重塔完成でみごと七堂伽藍が整い大願が成就したこととなる。
『立正安国論』奏進750年と時を同じく復元された身延山五重塔。日蓮聖人が人々を救うために『立正安国論』を著された鎌倉時代と同様、混迷を呈する現代の中で、末永く人々の心の拠り所として全世界に光明を放っていくお題目発信の塔が完成した。




















