2025年9月1日号
終戦80年千鳥ヶ淵戦没者墓苑追善供養
日蓮宗宗務院は80年目の終戦記念日にあたる8月15日に、東京都千代田区の千鳥ヶ淵戦没者墓苑で戦没者追善供養と世界立正平和祈願法要を田中恵紳宗務総長を導師に営んだ。全国の僧侶檀信徒や日蓮宗保育連盟加盟の幼稚園・保育園からの平和の祈りが込められた千羽鶴約20束が飾られるなか、僧侶檀信徒約200人が参列した。
東京4管区の宗務所長を副導師に迎えた法要では、墓苑のシンボルである陶棺を声明師・修法師が囲み、散華供養や祈祷を行い、戦没者の霊位を慰めた。自我偈の読経中には参列者が焼香を行い、香りと立ち上る煙のなか合掌しながら冥福を祈り、不戦を誓った。田中総長は表白文で「我等今、先の大戦の最中、身命を賭して戦火の止まんことを祈り、平和の来たらんことを求められし萬霊の心情に思いをいたし、諸霊に報いる道は係る無念を晴らすに非ず、身心安穏なる平和世界を此の土に築き上げることにある」と述べ、立正安国の実現のために歩むことを戦没者に誓った。また挨拶では「正義」への盲信が争いを招くと語り、本来の「正」とは本質を見極めるための道標であり、国や文化の違いを乗り越え、赦し慈しみ合うことだと話した。
続いて同墓苑奉仕会の保松秀次郎理事長は墓苑に納められた引き取り手のない遺骨が現在で37万989柱になり、いまだに約110万の遺骨が海外にあると報告した。
毎年参列している杉並区の川村誠一さん(91)は「武器を持たない。報復をしない。とにかく話し合う。平和のために、リーダーを含め、私たちも対話が不可欠」と強調した。また同じく毎年参列している赤羽愛子さん(22)は「直接的にも間接的にも私たちは世界と関わっている。ウクライナやパレスチナなど世界で起きている現実を私たちのことと受け止め、何ができるか。当事者意識を持って常に〝平和とは〟〝戦争とは〟と問い続けなければならない」と話した。
日蓮宗は昭和34年の同墓苑設立以来、毎年同日に法要を行っている。終戦80年の節目を迎え焼香では参列者以外にも供養する人が後を絶たなかった。




















