2011年9月1日号
千鳥ヶ淵戦没者追善供養並世界立正平和祈願法要
世界平和へ祈り捧げる
66回目の終戦記念日を迎えた8月15日、日蓮宗は渡邊照敏宗務総長を導師に「千鳥ヶ淵戦没者追善供養並世界立正平和祈願法要」を、東京・千代田区にある千鳥ヶ淵戦没者墓苑で営んだ。この法要は昭和34年に同墓苑が創建されて以来毎年、日蓮宗が行なっている法要で、今年が53回目。戦没者の遺骨が納められている六角堂内に大曼荼羅ご本尊を奉安し、国会議員の逢沢一郎氏、森英介氏、佐藤ゆかり氏、小野次郎氏をはじめとする参列者約400人が合掌して戦没者への慰霊と平和への祈りを捧げた。
午前9時に導師、式衆が入堂した。ご宝前に奉納された平和を願う折り鶴は、この日のために全国各地の寺院等から贈られたもので、約20,000羽が集まった。
今年は、大導師を渡邊照敏日蓮宗宗務総長、副導師を東京4管区宗務所の田村宏順所長(東部)、矢嶋泰淳所長(西部)、石井隆康所長(南部)、望月兼雄所長(北部)が務めた。修法導師は林貫恵東京東部修法師会長が務め、式衆に東京4管区の声明師会、修法師会、行脚隊に青年会の各師が出仕。六角堂の中央に安置された陶棺に向かい声明、読経、修法を行い、表白文で戦没者諸精霊に追悼の意を表すとともに、世界平和を祈念した。
参列者全員による焼香では、それぞれが尊い命を犠牲にした戦没者の冥福を祈るとともに、二度と戦争が起こらぬよう祈りを込めて合掌した。
法要終了後、(財)千鳥ヶ淵戦没者墓苑奉仕会の藤原博理事長が挨拶に立ち、同墓苑創設以来続く日蓮宗の法要に対し謝辞を述べ、遺骨収集事業の現状を報告した。千鳥ヶ淵戦没者墓苑に納められている遺骨は、軍人、軍属のみならず海外で犠牲となった一般邦人も含まれ、いずれも遺族に引き渡すことのできなかったもの。今年も新たに東京都・硫黄島やロシア・沿海州などから収集された遺骨が同墓苑に納められ、安置されている遺骨は総数359,958柱となっている。
最後に日蓮宗を代表して駒野教源日蓮宗総務局長が謝辞。日蓮宗では「いのちに合掌」をスローガンに『立正安国論』で日蓮聖人が示した立正平和の精神を世界に弘める「立正安国・お題目結縁運動」を展開中であることを報告。「戦争のない世界を目指し、本日の法要を通して、立正安国世界平和の実現を祈り行動して頂きたく切に願っております」と述べた。