2011年2月1日号
インド洋津波犠牲者七回忌慰霊法要
全日本仏教会を代表して
「インド洋津波犠牲者七回忌慰霊法要」が昨年12月26日、タイ南部のプーケット島カマラビーチで、関谷泰教日蓮宗伝道局長を導師に、小山信正総本山身延山久遠寺財務部長、全国日蓮宗青年会会員(伊東政浩会長)の9師によって営まれた。
平成16年12月、インド洋スマトラ沖大地震によって発生した大津波は、日本人42人を含む22万人以上の死者・行方不明者を出す大災害となった。翌年4月、全日本仏教会から日蓮宗に要請があり、総本山身延山久遠寺の井上瑞雄総務を導師に慰霊法要を行ったことから現在に続いている。一周忌に建立された「カマラ慰霊之碑」には、当時全日本仏教会の会長を務めていた故・藤井日光日蓮宗管長の追悼文が刻まれ、三回忌慰霊法要では、伊東隆司日蓮宗伝道局長(当時)を導師に慰霊之碑開眼供養が行われた。
七回忌法要は、大曼荼羅ご本尊を奉安した特設会場に200人以上が参列して営まれた。
午前11時、犠牲者の諸霊位に黙祷を捧げ開式。法要を主催するプーケット日本人会会長の宮下和司氏が挨拶し、プーケット県知事代理のトゥリー・アカラデシャー氏、小島誠二在タイ日本国特命全権大使、パロップ・タイアリー世界仏教徒連盟事務総長らが哀悼の言葉を添えた。関谷伝道局長が「『法華経』に立脚した人類全体の安穏なる世界を希求し、『環境・平和・いのち』の大切さを伝え弘め、世界の平和、仏国土の顕現に邁進したい」と追悼文を読み上げると、参列者や観光客が献華を行った。
法要後に関谷伝道局長は「全日本仏教会の代表として、また、藤井日光猊下のご遺命を日蓮宗を代表して法味言上できたましたことは、誠にありがたく感謝申し上げます。現在日蓮宗で推進している『敬いの心で安穏なる社会づくり、人づくり』に更なる邁進をし、法華経に説かれる命の大切さを伝えていきたい」と語った。
日没後、伊東政浩全日青会長がお題目を書き入れたタイ式の灯籠が慰霊之碑前から放たれ、凪の夜空に浮かび上がった。
法要の模様は、NHKのニュースや地元紙の一面で大きく取り上げられた。