2010年11月1日号
全国法華和讃発表会 伊東市本山佛現寺で
日蓮宗宗務院主催・日蓮宗全国和讃連絡協議会(林昌壽会長)後援の平成22年度全国法華和讃発表大会が9月30日、静岡県伊東市本山佛現寺(板垣日祐貫首)で開催された。全国から15団体・550人が参加し、和讃の奉詠と太鼓が堂内に響きわたった。
和讃は仏さまの功徳や経典、各宗派の祖師などをほめたたえた仏教讃歌の一つで、日蓮宗の和讃はほとんどが日蓮聖人ご一代の教化弘通きょうかぐずうが詠まれ、日蓮聖人のみ心が表されている。
同大会は前回まで、東京の立正大学石橋湛山記念講堂で行われていたが、今回から全国の教区をまわっての開催となり、その第1回として本山佛現寺が会場に選ばれた。
関谷泰教伝道局長を導師に厳修された開会式では、参加者全員が「日蓮聖人奉讃歌題目」の伊豆法難の場面などを奉詠。続いて板垣貫首が挨拶で伊豆法難750年の節目の年に、佛現寺で日蓮聖人に報恩の和讃を奉詠できる慶びを伝えた。
発表では、各団体が持ち味を活かし、鍛錬の成果を披露。兵庫県西部から参加した寺庭婦人や檀信徒合同の播磨和讃会の谷口万亀子部長は「和讃で所作を覚えると本堂の掃除などにおいて、仏さまの威厳を保たなければならないという責任感が生まれてきました」と和讃を通してメンバーの信仰が深まっていく実感を語った。
閉式後、参加者からは感激の言葉がもれ、「作法などの違いを参考にしてこれからも研鑚していきたいとの声が聞かれた。
林会長は大会を通して「参加者一人ひとりが信仰に根ざして和讃を奉詠する姿に感動しました。今後は地方に伝わる独自の和讃を発表してほしい。また全国で開かれる大会に、和讃を知らない人たちに足を運んでいただければ、どんどん和讃が発展していくのでは」と述べ、和讃の普及と発展の足がかりに手応えをつかんでいた。